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2025/2 イタリア小話とことわざカレンダー

∬ La storia di Febbraio ∬
Magia 魔法

2月から3月にかけ、ベネチアで行われるカーニバル。
それを一目見たい単身、乗り込みました。
街に一歩踏み入れると、そこは中世。おのおの、一年間かけて作り上げたであろう豪奢な衣装に身を包み、おのおの特徴ある仮面を付け、ゆっくり、優雅に街を闊歩するひとびと。

イタリア人というと、日本で旅行中でも「あ、あのひとたちイタリア人だ」と瞬時に感知できる程、大きな声で会話筒抜け状態。そしてそれを聞きクスッとほくそ笑むまでが、私の楽しみのひととき。(今日は「La scuola〜(学校)だけ断片的に飛び込んで来ました)
なのに、仮面を付けた彼らは言葉を発しません。
カメラを向けると、まるで中世からテレポートしたてかのようにゆっっっくりポーズを取ってくれるのが印象的でした。

魔法をかけられたのは見物客のわたしたちなのか、仮装している彼らなのか、街なのか。
いや、きっと、どれもでしょう。

Carnivale(カルニバーレ)という言葉はすでに1094年には記録が残っており、ベネチアでは1296年には公式で祭が行われていたそう。
はじめは今のように特殊な仮面や衣装はなく、徐々にそれが商業的に大きくなっていったそうで、特に仮面は身分を隠し、階級に関係なく振る舞えることから人々がこぞって求めるようになったそう。

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