北欧クリエイティブビジネススクールで推薦された本たち
Hyper Islandというスウェーデンのクリエイティブビジネススクールに通って、そろそろ8ヶ月。グループワークや、エッセイを書くなかでいろいろな学びがありましたが、多くのインプットができたことも、入学してよかったひとつのことです。
いままでの体験記は下記にまとめています。
モジュールは全てで6つから構成されており、それぞれのモジュールで推薦図書があります。全ての推薦図書を読む必要はありませんが、読んでおいた方が学びは深くなる、気がします。
「気がします」と書いたのは、推薦図書のなかには、モジュールとの関連が強いと言い切れないものも入っていますし、その推薦図書に基づいて何か議論をするわけでもないからです。まあ、ただ新しいことをインプットしたら少なからず、そのインプットと関連づけてものごとを見ることになると思うので、学びが深くならないことはないと思いますが。
かなりの多くの本が提示されたので、この記事で紹介してみます。各モジュールのタイトルと、そのモジュールでの推薦図書の一覧という形です。一冊一冊にコメントをするとやたら長くなりそうなので、パパパとリストだけにして、個人的に面白かったものはちょっとだけコメントする形にしてみます。
日本語訳があるものは日本語版を、日本語訳がないもの(見つからないもの)はそのまま英語版で紹介します。
(アフィリエイトリンクを貼っておりますので、ご認識ください。)
Welcome Pack
モジュールとは別に、入学したときに指定された本があります。これらはどこかのモジュールと紐づいているわけではなく、Hyper Islandの学びの基本となるような本、という立ち位置です。
Creating Effective Teams
Hyper Islandのさまざまモジュールや、オフラインのミートアップでも参照される本で、グループ活動の指針となる本です。チームは生き物であり、それぞれのフェーズがあり、それぞれのフェーズで効果的なリーダーシップがある、ということが書かれており、めちゃくちゃ面白い。これは学びが深いので、どこかでまとめます。
Liminal Thinking: Create the Change You Want by Changing the Way You Think
Humans or Customers
デザインシンキングとHuman Centered Designに関するモジュールです。一番最初に行われたので、他のモジュールの基礎となるような立ち位置。推薦図書はIDEO関連の本が多いです。
クリエイティブ・マインドセット 想像力・好奇心・勇気が目覚める驚異の思考法
この本は7-8年前ぐらいに読んで、悩んでいたときに背中を押されたので、自分としてはすごく大事な本。推薦図書にあって嬉しい・誇らしい気持ちになりました。
Rethinking Design Thinking: Making Sense of the Future That has Already Arrived
Design of Business: Why Design Thinking is the Next Competitive Advantage
発想する会社! ― 世界最高のデザイン・ファームIDEOに学ぶイノベーションの技法
デザイン思考が世界を変える: イノベーションを導く新しい考え方
Intelligent Machines
最先端テクノロジーのビジネスインパクトや、どうビジネスに生かしていくか、そしてその懸念点などのモジュールです。ただ、タイミングとしてほぼ生成AIに関してのトピックばかりで、推薦図書との関連はどうしても低いイメージを受けました。まあ生成AI自体がまだでてきたばっかりなので、ピッタリな推薦図書がないのも理解はできます。
〈インターネット〉の次に来るもの 未来を決める12の法則
めちゃくちゃ面白いんですが、それなりに複雑でかつ長いので、日本語ですら読むのに気合いがいる。僕は過去に読んだことがあったので、その苦労をせずによかったです・・・。
第四次産業革命: ダボス会議が予測する未来
What To Do When Machines Do Everything: How to Get Ahead in a World of AI, Algorithms, Bots, and Big Data
存在しない女たち: 男性優位の世界にひそむ見せかけのファクトを暴く
Agile Making and Prototyping
モジュールでやることは、その名の通りですね。高速プロトタイプです。
このモジュールだけでなく、Strategyzerの本がいくつか推薦図書に入っていますが、Learn by Doingを掲げるHyper Islandとの相性はすごくいいように思えます。概略を掴みながら、とりあえず使ってみる、という感じです。
SPRINT 最速仕事術――あらゆる仕事がうまくいく最も合理的な方法
この本自体も面白いのですが、なんとWebサイトにはリモート版でのスプリントをどうやるか?ということも書かれていて、そっちも面白いので紹介しておきます。
ビジネスアイデア・テスト 事業化を確実に成功させる44の検証ツール
バリュー・プロポジション・デザイン: 顧客が欲しがる製品やサービスを創る
リーン・スタートアップ
Business Transformation and Innovation
これもタイトルの通りのモジュール内容です。ただ、定義が広義だからか、多少推薦図書にもブレがあるように見えます。
シンギュラリティ大学が教える シリコンバレー式イノベーション・ワークブック
Beyond Disruption: Innovate and Achieve Growth without Displacing Industries, Companies, or Jobs
インビンシブル・カンパニー 「無敵の会社」を作った39パターンのビジネスモデル
学習する組織――システム思考で未来を創造する
Exploring Strategy, Text & Cases
Future Scenarios
未来をどう描くか、というモジュール。このモジュールだけなぜかわからんですが、推薦図書が他のモジュールよりも多くなっています。デザインリサーチ関連の本と、未来予測するための方法論、そしてその予測を柔軟にするための考え方の本、という感じでしょうか。
Visualizing Research: A Guide to the Research Process in Art and Design
How to Research
スペキュラティヴ・デザイン 問題解決から、問題提起へ。—未来を思索するためにデザインができること
47原則―――世界で一番仕事ができる人たちはどこで差をつけているのか?
RANGE(レンジ)知識の「幅」が最強の武器になる
Design Research Through Practice: From the Lab, Field, and Showroom
Situated Design Methods (Design Thinking, Design Theory)
Think Like a Futurist: Know What Changes, What Doesn't, and What's Next
多様性の科学
シナリオ・プランニング――未来を描き、創造する
シグナル:未来学者が教える予測の技術
Leading Teams
多様なチームをどうまとめてリードしていくか、というモジュールです。このモジュールは、Hyper Islandの根幹となるようなもので、他のモジュールとは別に長期間に分けて行われます。全てのモジュールでグループワークがありますが、そのグループワークでここで学んだことを活かしていくイメージでしょうか。
異文化理解力――相手と自分の真意がわかる ビジネスパーソン必須の教養
本の途中でいろいろな国の文化の違いを説明するグラフがでてくるのですが、日本だけ極端に他の国と違うところにマッピングされていて、日本って特殊な国なんだなと理解できます。おもしろい。
確かに意思決定のプロセスは合議的なのに、最終的には階層的にトップダウンになるというのは、とーっても諸外国からすると異文化なのかもしれない。
のびのび働く技術
THE CULTURE CODE ―カルチャーコード― 最強チームをつくる方法
最高の集い方 記憶に残る体験をデザインする
Dare to Lead: Brave Work. Tough Conversations. Whole Hearts.
邦訳されていない本もいくつかありますが、概ね半分ぐらいは日本語でも読めました。翻訳者の方や出版社の方に感謝・・・!
私個人としては、入学する前に読んでいた本もあったりしましたし、やはり紹介される本も面白そうなものばかりなので、結構楽しみながら(苦しみながら?)インプットができました。
英語の本を読むのは苦労もありますが、英語でインプットができるようになると、世界が広がるような感覚もあります。まだ全然足りないけど。
どんな本が勧められているかという観点から、Hyper Islandの雰囲気も感じてもらえるかなと思い、書いてみました。
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