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【サインデザイン】小さな文化複合施設の館内案内

先日、不動産やさんから紹介されたシン・設計室の高橋真理奈さん。
クラウドファウンディングで私設の図書館を作ろうとしている女性。本業は建築家とのこと。

名刺を持ち合わせていなかったので、お礼メールを送信。
「何かありましたら、ぜひお声がけください」

お声がけいただいたのは、翌日のことでした。
展開早い。


ヒヤリング

ビジョンが明快なオリエンシート。一部モザイク。

館内に案内板、ガラス扉にはカレンダーなど書くスペースを設けて欲しいという注文。参考の資料もついていて、作りたいものははっきりしていました。

検証

クライアントの注文をそのまま制作することも可能ですが、一度お預かりしてシミュレーションの工程を設けます。
・クライアントの思いは、受けて側にもそのまま伝わるのか?
・他の見せ方があるのか?
・より良い手法があるのか?
など再考します。

ヒヤリング時の入り口。

ヒヤリング時の入り口。「サタデーブックス」のロゴマークは素敵だけど、階段しか見えないのが心理的に少し不安。階段上ってコワいおじさんたちのいる事務所だったらどうしよう。

当初、館内に案内板を設置したいと注文が来ていたが、扉から中の様子が見えないため、扉に案内板と館のメッセージを書いてしまったらどうか?と提案しました。

デザイン

ロゴマークデザイン

館のイメージで、パースの二点投資法をモチーフにしたデザイン。

ロゴマークは、パースの二点投資法をモチーフに採用。
立体の建築らしくみえたり、本を開いたアイコンのようにも見えるデザイン。

きちじょう荘の自己紹介

扉をひとつのメディアと捉えて、
・名前
・案内板
に加えて、自己紹介文を入れることを提案しました。

なぜなら、館の営業日は限られていて家主たちが不在の時も多いので、人がいない時でも「この場所がどんな場所か?」がわかるようにした方が良い。扉さんに働いてもらいます。

制作風景

高橋さんとディスカッションを重ね、このようなメッセージになりました。

きちじょう荘には、
古書店「サタデーブックス」、建築設計事務所「シン
設計室」、私設図書館「シン図書館」が入居しています。

きちじょう荘では、
素敵な本や人との繋がり、建築のおもしろさに出会う
ことで、文化を育む文化複合施設を目指しています。

きちじょう荘は、
ワクワクして、自由に過ごせる、おおらかな場です。
ここが、あなたにとっても発見のある場所になったら幸いです。
どうぞお気軽に2階へお上がりください。

きちじょう荘 扉


このような扉になりました。下の枠は、スケジュールなど書き込むエリア

ガラス扉にカッティングシートで扉のデザイン制作しました。
自分たちで貼ったので、細かい文字が難易度高かったです。

制作風景。別件で紹介された、初対面の代さんを背の高さからスカウトしてお手伝いさせてしまった。

制作を終えて、
建物の扉や窓などのガラス部分の可能性を感じました。
夜間や早朝など人の目に触れる機会はたくさんあるので、眠っている場所をメディアとして考えてみたら、楽しいことができそうです。

きちじょう荘
https://kichijoso.com/

高橋真理奈さんのnote
https://note.com/tkhsmrn


このnoteでは、コミュニケーションデザイナーの酒井希が手がけた案件を、プロセスと共に公開しています。
デザインの判断の仕方や進め方がわからないデザイナーやクライアントさんの参考になれたら幸いです。


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