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Quality of life よりもEnjoyment of life!

QOLという言葉が使われるようになったのはいつ頃なんだろう。
Quality of Lifeの略だったと思うが、最近の私は、QOLよりEOLを上げることに夢中になっている。

EOLというのは、Enjoyment of Lifeの略で、私が勝手に名付けたものだ。

ニューヨークで楽しそうに暮らす人々は、決して裕福な人だけではない。
むしろ、裕福そうな格好をしていても、しかめっ面で歩いている人は沢山いる。
裕福な人のQOLは高いはずなのに、なぜ?
きっと彼らの生活には、「Enjoyment」が足りないのだ。

Qualityとは、文字通りクオリティー、生活の質である。
これがなくても、幸せに楽しく暮らしている人は、生活に「Enjoyment=楽しさ」が根付いているように思う。
逆に、このEnjoymentが足りないと、いくらQualityを上げても不満が溜まる。

1分でも1秒でも、何かをEnjoyできる時間が増えると、瞬く間に日常が色彩を帯びていく。それはお金がかかることかもしれない。まったくの無料かもしれない。なんだっていいのだが、とにかく自分がEnjoyできる時間を増やすのが幸せの秘訣なのだ。

今回は、ニューヨークでの生活の中で、私のEOLを上げてくれているものたちを紹介する。

1.  アート、音楽、建築
私の部屋にはいくつものアートが飾ってある。そのうちのひとつは愛猫のポートレートで、見るたびに顔がほころんでしまう。実際に触れるわけではないのに、その絵を見ると、彼のもふもふ感を思い出す。そして、ひとつは自分で描いたもの。絵を描いた時間を楽しんだこと、ラインを描いた時に筆をどのように運んだかを思い出しながら、今もなお楽しんでいる。音楽にまつわる絵もある。こちらに引っ越してきてから、暇つぶしにやったジグソーパズルも飾ってある。見るたびに楽しい記憶を思い起こさせるそれらが、家中にある。
朝起きると、BGMをかける。Youtubeの時もあれば、Amazonmusicを使うこともある。気分によってクラシックだったり、ジャズだったり、ジブリだったり。ノリノリのディスコミュージックの日もある。家事や勉強、仕事を格段に楽しくしてくれる。
街に出ると、あらゆる建築が目を楽しませてくれる。どんな構造なのか、ちょっと見ただけではわからないモダンなビル、ゴシック様式のゴージャスな教会、公共の物とは思えない重厚な建物の図書館。街に「ありがとう」と言いたくなる。

2.  近所で売っている10ドルの花束
週に1度は花を買うようにしている。これは日本でもやっていた習慣だ。たまに15日に1度になるが、細かいことは気にしない。気づいたら買うのだ。近所では10本程度のバラの花束がたったの10ドル。感じのいい女性と男性の店員が交代でやっている。どちらの店員に当たってもいい気分。天気やその日の服について、会話しながら花を買う。お互いに「Take care!」や「Have a good one.」など言い合って買い物するので、帰り道もなんだかあったかい気持ち。花が美しく開いて枯れていくまで、玄関やリビングで、目に楽しい&美しい光景をくれる。

3.  家のスマート化
最近ハマっているのがコレである。アレクサ対応の機器を買って、部屋中のランプや家電をスマート化。朝はひとりでにコーヒーが出来上がり、モーションセンサーを付ければ、私が歩いた場所に明かりが灯る。朝起きるのに一苦労していたが、今は出来立てのコーヒーを楽しみに起き上がる。
「アレクサ、ナイスなジャズをかけて」
「アレクサー、コーヒー入れて」
この二言で、いい感じに朝が始まるんだから安いもんだ。
「アレクサ、ただいま」
こう声をかけると、家中の電気がパッとつく。
こんなに楽しめるのに、導入費用はたったの約100ドル。
掃除をやってくれるルンバ導入はもう少し予算がかかるが、十分にペイしたと思えるくらい、毎日のストレスが減った。

4.  ホームベーカリー
ホームベーカリーを買ってみた。日本でパナソニック製のホームベーカリーを使った時には簡単に美味しいパンができたのに、こちらで買ったホームベーカリーではなかなか成功しない…。取扱説明書の写真はすごく美味しそうなのに。私の使い方や、材料の選び方が悪いのだろうか?未だにおいしいパンは焼けていないのだが、それでも「あちゃーまた失敗だ!次はどう試そう?」なんて考えている時間が楽しい。さすがアレクサに一声かけてパンが焼けるなんてことはないのだが、”トライすること”そのものが楽しいのだ。
(追記:やっと成功した!この喜びと達成感ときたら。)

5.  スマートとアナログのMIX
全てがスマート化されたら、きっとつまらない。先のホームベーカリーのように、自分の手で何かをやること自体が楽しいことだってたくさんある。半々でMIXすると、便利と不便の楽しみを同時に享受できる。

6.  たくさんの種類の飲み物
たかがお茶、されどお茶。EOLを上げたければ、家にコーヒー&ティースタンドを導入することをおすすめしたい。好きなコーヒー豆、紅茶、緑茶、玄米茶、ほうじ茶、蕎麦茶、ハーブティーなどなど、あらゆる種類のお茶を置いておくのだ。ついでにトッピング用のシナモンやジンジャー、はちみつも。ファミレスのドリンクバーで、何を飲もうかワクワクしたことは?いくつか選択肢があると、人は楽しくなれる。冷蔵庫のスペースに余裕があれば、ジュースも2、3種類置いてみては。
私は高級なものとデイリー用のお買い得なお茶を数種類用意し、毎日嬉しく悩んでいる。お気に入りのカップや湯飲みもあると、ワクワクは2倍に。
さて、今日の午後はどれにしようかな!

7.  アロマや香水のいい匂い
家で過ごす時間が増えた人も多いのではないだろうか。そんな時、香りは気分転換を助けてくれる。仕事や勉強に集中したい時、ちょっとリラックスしたい時、用途別に香りを使い分けることで、メリハリのきいた一日になる。私は朝、PCに向かう前に、今日の気分でアロマを決める。もっぱら柑橘系の匂いで、集中力アップ!バラの香りは日常をゴージャスにし、爽やかなサボテンの香りは自宅を高級スパへと変える。一度ハマったらもうやみつき。

8.  子どもの頃に戻ってみる
大人になるにつれ、「大人らしくあること」を求められる。
でも、たまには子どもの頃に戻ってみよう!雪が降ったら外へ出て、サクサクフワフワの雪を蹴ろう。誰も歩いていない真っ白な場所を探して、そのエリアのパイオニアになろう。横断歩道の白い部分だけ踏んで渡ってみよう。散歩中の犬や猫にも挨拶してみよう。自由にクレヨンでお絵かきしてみよう。音楽をかけてノリノリで踊ろう。みんな子ども時代を経験して大人になった。すでに何年も経験した、自分の中にあるその要素を、記憶から完全に取り去ることはできない。たまには思い出してみると、新たな発見があるかもしれないし、思わぬリラックス効果を感じるかもしれない。

9.  誰かの役に立つ・寄付を始める
誰かの役に立てたと感じた時、人は幸せを感じるらしい。現代は、引きこもっていてもそれが叶う。例えば、私はこの団体に毎月寄付をしている。
▽あしなが育英会
https://www.ashinaga.org/support/
この寄付は、国内の遺児(父親がいない子など)が教育を受けるサポートをするために使われる。自分のお金が回りまわって、子どもたちの笑顔や、より質の高い教育に変わると思うと嬉しい気分になる。この団体は、遺児への奨学金を貸与する前に、貸与を受ける本人と面接もするので、安心して寄付できる感じがする。
毎月コーヒー1杯分の寄付で、誰かの笑顔を間接的に感じることができるのだ。
寄付でなくても、身近な誰かの役に立ったと思えることを少しだけすると、なんだか嬉しい気持ちで過ごせるから不思議だ。

10.  1日1回は「ありがとう」と言う or 言われる
コンビニに行ったら、レジで「ありがとう」と言ってみたり、ネットで良い記事をシェアしてくれている場所で「シェアありがとう!」とコメントしてみる。私は感謝教のような「なんにでも感謝せよ!」というのは苦手なのだが、1日1回くらいであれば容易い。このレベルが少し進むと、今度は言われる側になる。「ありがとう」と言われるのは、いつだって嬉しい。


さて、今回はEnjoyment of Lifeを高めるために、私が行っている10の方法をご紹介した。書いてみて気がついたのだが、自分に対して、選択肢をたくさん作ってあげたり、能動的な動きを取り入れるというのがポイントなのかもしれない。

皆さんも、よかったら試してみてね。

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