3月1日

通り掛かったイタリアンのお店の軒先でテイクアウトのあれこれを販売していたのでちょっと足を止めて見ていたらお兄さんが出てきて「お決まりでしたら!どれにします?」と言うのでなんだか引っ込みがつかなくなってしまい、特別食べたくもないポテトサラダを買い、特別お腹が空いているわけでもないのにすごすごと食べた。そういうところがある。

今朝は残っていたぽんかんをマフィンにした。きのうのにんじんマフィンは美味しかったけれど、オートミールの分量が多かったせいかかなり重たくて、今日は軽いのがいいなと思い、久しぶりに薄力粉も混ぜたらオーブンの中でめきめき膨らんでめずらしくマフィンらしいマフィンが焼けた、これはきっとふわふわだ、と思って食べてみたらふわふわというよりもっちりむっちりみっちりしており、まぁ他の粉もいろいろ使ったしな。奥深き焼き菓子の世界。

きのう家に帰ったら母から郵便が来ていた。黒猫のプリントがされたマスクが入っていた。ちょうど一年前に亡くなった私たちの黒猫。一筆箋に、可愛いマスクを見つけたので送ります、体に気をつけて、という文言に続いて、歌舞伎を観に行ったけれどお客さんが全然いなくて赤字じゃないかしらと思ったと書かれており、「守られるべき文化だと思います。歌もね 母」と結ばれていた。

素直に嬉しいなと思った。だけどその次の瞬間になんだか悲しい気持ちになってしまい、きのうはそのままひと晩悲しかった。

わたしはなんだかやっぱりいつまで経っても宙ぶらりんで、親に対してはあまり胸を張れないようなところがある。もちろん何を言われることもないし、放っておいてくれているので有り難いなと思うけれど。でもだから母に優しくされたりすると自分の情けなさみたいなものを感じてしまって、すーっと悲しみに引きずられてすっかりひたひたになってしまうのだった。

石田ゆり子さんのエッセイを読んでいる。この間本屋さんに行ったけれど欲しい本が置いておらずうろうろしていたらなんとなく目についてそういえば読んだことがないなと思って買ってみたのだった。柔らかででも芯があって。なんでみんなが彼女を好きなのかよくわかる。こりゃ好きになっちゃうわ、と思う。わたしもそんな風にありたいなぁなんて思うけれど、でもそれを思うことさえおこがましいような気がしてしまう。だけど思うのは自由だ、と自分に言い聞かせる。思うくらい、許して欲しい。

WeNeedCultureの細美さんのコメントが伸びている。

恐れ多くも代読させていただきながらとてもグッときたので沢山のひとに見てもらえて良かった。

今日は帰ったら映画観たいな。でもようやくちょっとずつ色々スイッチが入ってきたからあれこれやるのもいいかもしれない。ワインを買って帰るべきか否か。ポテトサラダがまだそのまんま胃の中にいる。

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