マイナスな心の動きと、のりこえる想像力
ネガティブな感情は、なるべく無い方が良い。
でもネガティブな感じは生きていれば起きる。
マイナスに感情と認識して、否定してもムクムク湧いてくるものだ。
子供の頃は、ネガティブな感情との向き合い方がむずかしかった。
ネガティブな事だけど、むりやりポジティブに変換して誤魔化してみたり。
誤魔化した気持ちは、結局消化不良になって違う形で育ってしまったり。
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長男5才と最近よんだ絵本が印象的だった。
「ころべばいいのに」ヨシタケシンスケ
キライな人がいる、という話から始まる絵本。
子ども向けの絵本では、珍しいスタートである。
読み進めると、キライな人と出会った時の心の扱い方をユーモアあふれる表現で紹介してくれる。
"キライな人がイヤなことをするのは、実はワルモノに操られている?"
"キライな人のことで頭がいっぱいになったら、全然関係ないことをする"
"すきなものを集めて自分をはげます"
大人になると、ネガティブな感情との付き合い方はコツをつかんでくる。
子どもの頃のように、真っ正面からぶつかって、感情がかき乱されることも少なくなる。
子どもの頃、キライな人がいることはダメなこと、と思ってた。
キライな人がいる自分は、ダメな人間だ。
キライな人がいない人が、良い人間だ。
けれど、そのときのシチュエーションやタイミングなどで、相手をイヤだなと思ってしまうのは当たり前にあること。
イヤだなと思っても、実は丸ごと相手をキライなわけでは無い。
心の切り替えられる方法を知ってると、一時的にキライでも、また好きになる切り替えも早くなるかもしれない。
気持ちが切り替えられることで、相手のちがう側面を見る余白ができる。
意外と気が合うところもあるかもしれないと、気づく。
一時の感情で、キライと思っていたのは自分だけで、相手は何も気にしていなかったり。
それならキライなのは、忘れて楽しく付き合っちゃおうと思えたり。
大人になっても、人間関係で起こる感情の揺らぎ。
大人も大変だけど、子どもにとっても大変。
経験値が少ない分、一大事。
キライな人がいる!
"キライ"という感情を子ども豊かな想像力で、のりこえる。
想像力を持つのは、自分を助ける、つよい武器になる。
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嫌い、イヤだな、と思う自分の気持ちを否定しない。
素直に受け止めて、うまく付き合う方法を取れた方が自然だなと思う。
子どもの頃に、こんな絵本に出会えていたら、心を軽くしてくれただろう。
長男と絵本を読みながら、大人が読んでも、"なるほど、そうだよね"と納得してしまう言葉ばかりだった。
自分の感情に正直でいていいと思う。
すると相手の感情に対しても素直な気持ちで、耳を傾けることができる心が育つように思う。