🎥 Eagles of Death Metal: Nos Amis (Our Friends) / The Hurt Locker
Eagles of Death Metal: Nos Amis (Our Friends)
★★★★☆
The Hurt Locker
★★★★☆
アマプラで「まもなく無料配信終了」リストに入っていた Eagles of Death Metal: Nos Amis (Our Friends) を、取り急ぎ鑑賞。中盤からエンディングにかけて、ずっと The Hurt Locker を思い出していた。前者はロックバンド、後者は職業軍人(爆弾処理班)と、主人公の立場は大きく異なる。かたやドキュメンタリー.で、かたや(戦争の現実をベースにしているとは言え)フィクション。横並びにするのは差し障りがある、あるいは不謹慎かもしれないが、僕の目にはどうしても色濃く重なって映るのだから仕方がない。
万能感を漲らせることができた現場で、理不尽極まりなく、文字通り言語に絶する状況に晒される。無力感に徹底的に打ちのめされ、どん底まで落ち込み、葛藤に苛まれ続けながらも意を決して現場へと戻っていく。
簡単に言ってしまえば、どちらもそういう物語だ。現場に戻る理由も酷似している。自分にはとてもじゃないが背負い切れない圧倒的な現実を、これ以上ないくらい無様な形で思い知り、それでも続けるのは、戻っていくのは、何故なのか。
結局それまでと同じことを惰性でやってるだけじゃないかとも捉えられかねない。陰鬱な表情で戻る彼らの表情は、中毒患者のそれに見えなくもない。あるいは、何やら勇ましい英雄譚に着地しているようにも見えかねない。でも、そんなことは当の本人たちだって当然意識しているはずだ。思考停止ではないし、取り憑かれているわけでもないし、単純な正義感でもない。
それは、傍目には最善ではない、むしろ愚かな選択かもしれない。そうしたところでおそらく世界は変わったりはしないし、自信が取り返せるわけでもない。悩みに悩み抜いて、ことの白黒に結論はでないが、それでも自分にできる最良のことをするという決断を下したのだ。
小さくしょぼくれて、不器用なりに歩を進めるおっさんども、そっと肩に手を回して抱きしめたくなる。万能感を誇示しとんがっていた姿と裏腹な、彼らの本質的な人のよさを、祝福したい。それは、支持や肯定とは似て非なる、イデオロギーを越えた感情だ。
★★★★★・・・出会えたことに心底感謝の生涯ベスト級
★★★★☆・・・見逃さなく良かった心に残る逸品
★★★☆☆・・・手放しには褒めれないが代え難い魅力あり
★★☆☆☆・・・見直したら良いとこも見つかるかもしれない
★☆☆☆☆・・・なぜ作った?
☆☆☆☆☆・・・後悔しかない
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