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入社7か月の新卒社員。成長の裏側を彩る上司と部下の存在 〈日本マクドナルド株式会社〉

おいしさとスピードを追求する。上司の顔も持つ21新卒

日本マクドナルドに2021年新卒として入社したばかりの田中梨香子さん。恵比寿駅前店でおいしくてあたたかい商品が食べられるのは彼女の努力によるものだ。社会人になって間もない田中さんだが、先輩社員から指導を受ける立場であると同時に、チームメンバーを指導する立場でもある。キャリア7か月のありのままを聞いた。

約30名のアルバイトを束ねるリーダー。果たすべき責任

田中さんは、FQM(フードクオリティマネージャー)という商品の品質管理をするチームの仕事に従事している。一言に品質管理と言っても、食材費の管理にはじまり、商品の提供時間の管理、店舗運営にかかる電気・ガス・水道代の管理、キッチンの衛生管理まで、担当領域は想像以上に広い。彼女はそのチームのリーダーとして、出身地が様々な約30名ものアルバイトスタッフ(以下 クルー)を率いている。

「週に一回必ず会議を実施して、数字はどうなっているか、トレーニングはどうするかという話をします」

顧客体験の善し悪しは数値でも判断できる。たとえば、お客様にレシートを渡してから商品を提供するまでの時間に目標を設定し、その目標が達成できているかどうかを評価するといった具合だ。もし目標数値に達していなければ、クルーの行動を改善するための訓練が必要となる。

田中さんが週に一度、この会議をする相手は店長(レストランゼネラルマネージャー、以下 RGM)だ。数値と向き合い、数値だけでは判断できないクルーの仕事ぶりを把握し、クルーを育成する日々を過ごす中で、わからないことがあればRGMに相談して助言をもらう。日本マクドナルド(以下 マクドナルド)の新卒社員はこうして成長していくようだ。

入社の決め手。追いかける背中

田中さんにはマクドナルドでのアルバイト経験がある。クルーが技術を競い合う社内コンテストにも出場をしたことがあり、その体験を通じて多くの社員を見てきた。就職の後押しをしてくれたのは、他でもない”マクドナルドにいる先輩”の存在だった。

「一人ひとり個性があって、強みがあって、それが重なり合ってできる強さを持った企業だなと思いました。ポジティブな部分を常に引っ張ってくれるというのを身近で感じていました」

やりたいことや上達したいことがあった時に挑戦させてくれた上司、「僕はこんなことがしたい」と自分のキャリアをしっかりと見据えて働いていた上司…。社員として働きはじめた今も、前を歩いてくれる人に出会った。田中さんにはRGMの他にもう一人、年齢が一つしか変わらない女性の上司がいる。

「『今こういうことに悩んでいます』という話をすると、『私もそうだったよ』『ここはこうしたら上手くいくよ』とすごく細かく的確にアドバイスをしてくれます」

田中さんの目にはいつも上司の背中が映っている。そんな彼女がクルーに見せているのはどのような背中なのだろうか。

クルーに見せる背中。すべてはお客様のために

「最近クルーに『どうしてその行動をするの?』と聞くと『お客様のため』と言ってくれます。それを目標としてやってきたので、クルーの思考が変わってきていると感じています」

恵比寿駅前店は二階建ての店舗だ。一階に注文を受けて商品の提供を行うカウンターエリアがあり、二階にキッチンがある。田中さんのチームメンバーは二階で仕事をしている。この店舗構造は、クルーと彼女自身が何歩も前進するきっかけを作ってくれた。

「お客様が全く見えないので、”何のためにやっているのか”というのがおそらくわかっていない状態でした」

お客様の姿が物理的に見えないということは、お客様のことを想像しづらいということだと言える。おいしい商品の素早い提供を実現するチームの責任者として、田中さんはそこに課題を感じたようだ。

「たとえば、お客様のご要望でチーズなしのハンバーガーを作る時に、今までは業務的にチーズを抜いたハンバーガーを調理していたのを、『チーズなしにしないとアレルギーのお客様がいた時にお客様に迷惑がかかってしまうよ』とご要望の背景を伝えるようにしました」

言葉で繰り返し伝えるだけではなく、「熱量で伝えないといけない時もある」と言う。そのような時は、実際にお客様の姿を見てもらうのが田中さんのやり方。お客様が喜んで食べてくれている様子を目の当たりにしたクルーは、「こういうことなんだ」と理解をして行動してくれるようになった。入社をしてから半年間、徹底的に取り組んできたことに成果が出た瞬間だった。

今の自分にできること。広がっていく世界

マクドナルドのマーケティングに関わる仕事。田中さんがかねてから興味を持っていたことだ。

「商品をプロモーションする何かを作ったり、メニューの開発をしたり、店舗ではできないことをできる場所だなと思っていて、”創造”するという仕事を個人的にはやってみたいです」

今の田中さんにできることは、オフィスから届くマーケティングの戦略資料を読み込むことだと言う。

「この商品はどんなお客様に届けたいかをクルーに伝えて、『こんなお客様が来たらおすすめしてみてね』とか『お客様がおいしくてあたたかい商品を待っているから、そういう商品を作ろうね』という話をしています」

ゼロから何かを創ってお客様に届ける仕事に携わることを夢見る田中さんだが、会社の多種多様な役割を知っていくうちに、キャリアの選択肢を広げていきたいという想いも芽生えたらしい。数年先に想いを馳せながら、近い将来の目標であるRGMになるためのステップを着実に踏んでいく。

田中さんはこの先どのような未来を歩んでいくのだろう。一つ確かなことがあるとすれば、その背中を後輩社員に見せる番がもうすぐ来るということだ。そして、彼女の姿を見て社員になろうと決意するクルーが出てくる日も近いかもしれない。

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