学校のいらんものを「捨てる」という考え方
前回ちょっと書きましたが、
こちらの本を読みました。
学校の人にも読んでもらいたいですが、世の中の人たちにも知ってもらいたい学校のあまり触れられない部分を知ってもらえる内容だったりもします。
学校のいらないものたち
学校って、外の方から見てるとわかりづらいかもしれないですけど、「いらないもの」が山のようにあるのです。ゴミのようなモノとか、いつからあるのかわからないものとか、前年も使ってたのでこれを使い続けましょうとか…そういったモノたちの宝庫だと思ってください。
ひさしぶりに学校ってところに足を運んでみてください。「あー、懐かしー、まだこんなのあるんだー」「こんな掲示物あったよねー」など…なつかしさを感じるかもしれません。が、ちょっと冷静になりましょう。そんなものがあるってことは、10年以上変化してないってことです。「何年も同じことし続けてんのかい!」「まだあるんかい!」とツッコミを入れていいものでもあるはずなのですよ。
これは、物質的なものだけではありません。クラブ活動を減らすと言い出せない雰囲気、資料をひたすら印刷して前年度踏襲の会議、新しい考えを入れられない「これまで」を捨てられない体質。「正直、これはいつの教材なんだ?!」と思うような資料が宿題として印刷されていることありませんか?あれって、ずーっと捨てられないから、原本が残ってるんですよね。おそらく黒電話の時代から引き継がれるプリントの伝統。子どもたちの生活する時代に即してないモノが捨てられずに残っているのが学校の中の実情ですね。
読んでみて、捨てることよりも前に、こういったことを思い出させてくれました。
UDされない仕事場
企業で仕事をしていた経験があるからなのかもしれないですけど、学校の働き方ってユニバーサルデザイン(UD)ではないです。誰でもモノが探せる状態になってないんです。
何校か職場を転々としており、様々な職場を見ていますが、いずれの場合でも、「どこになにがあるのか」を「誰か知っている人」に聞くところから始めないとモノが探せないという無駄があります。ある程度は、収納が見た目でどこにあるのかを分かる状態ってのは大切なことだと思ってます。物品を探す時間コストを減らすことを企業のころは意識していたので(それでもなかなか難しいんですが)
今回の本、第3章「学校のいろんな場所を片付けよう!」と写真付きで紹介されていて、この章はとても参考になるんじゃないでしょうか。こうやったら、整理されて誰でもモノが見つけられるという参考になります。例として挙げられているのが
・学校準備室
・音楽室
・理科室
・図工準備室
・運動場倉庫
・体育館倉庫
・石灰庫
・更衣室
・防災倉庫
でして「こうしたらいい」ってわかりやすく紹介されています。これらの部屋って大体片付いてませんから。ホントに片付かない。散らかっている。よって、作業に時間を取られます。教員の長時間労働の要因でもあるんですよね。
導線の考え方
おそらくですが、学校って場所は導線が考えられていない印象です。「ヒトがどこを通って、どう動くのか」が検討されていない印象。ヒトがどう動くのかを想像できてない。
人が物をどうやって手に取って、どこで作業をして、どこへ運び出すのか。大体同じ動きをするはずだし、そこは統一したらいいと思うのですが、へんなこだわりがあるのか、自分のやり方を1ミリも変えたくないバイアスが強いのかもしれないなと。
動き方のテンプレートを作っておけば、そこの作業は思考するコストを減らして、他のことにコストを回せるようになるんですけどね。こうして本になっていると、取り入れられたりしやすいですかね。
勤務時間の無駄の削減
ホント、これにつきると思うんです。先生という仕事をしているひとが少しでもハッピーになれるように必要なこと。
それが「できたら苦労しない」って言われるかもしれませんが、まずは「定時に帰る」と宣言するところから始めるのがいいんじゃないでしょうか。それを阻害する要因はなんなのか。「電話は定時以降つながらないようにする」「定時になったら『帰りましょう』と周囲に声掛けをする」「定時以降の業務があるなら、そのデザインを変える」
できることは、まだまだたくさんあるんですよ。「できない」と決めているから「できないまま」になるわけで。ちょっとした解消をするのではなく、大幅に削減して解決する方向性を見つけることが大切ですね。
モノを「1t捨てたら」とか「大型トラック2台分」とか、大きく考えるって思考方法を学校に取り入れることで、多くの学校でのモヤモヤが晴れていくんじゃなかなと。そんなことを感じた1冊でした。
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