ヴェネツィアでの暮らし。買い物、移動手段、住宅事情。
最近までヴェネツィア島内に2年住んでおりました。
2020年の3月から約2か月間ほど続いたロックダウンも、ヴェネツィア島内で過ごしました。
現在はイタリア本島のほうに引っ越し、改めてヴェネツィア島内での暮らしは特殊だったなと実感しております。
今回はヴェネツィア島内での暮らしを、いくつかのポイントに分けて振り返ろうと思います。
1. 買い物
ヴェネツィア島内のスーパーは、イタリア本土に比べて3割ほど値段が高い気がします。なのでヴェネツィアの住人の中では、ローマ広場からバスに乗って、イタリア本土に買い物に行く人もいます。私が住んでいたところはローマ広場に着くまで40分ほどかかるため、基本は近くのCOOPで買い物をしていました。もちろん車はおろか自転車も使えないので、カートを持参してスーパーまで毎回歩いて行っていました。ヴェネツィアは橋が多いので、買い物をした後の持ち運びが本当に大変でした。今も車が無い生活をしているのですが、橋が無いだけで大分楽です。
個人的に特に値段が高いと思っていたのが肉類。肉は機会があれば節約のためにイタリア本土のスーパーでまとめ買いし、冷凍保存していました。魚介類はお肉よりもともとお値段が高めですが、ヴェネツィア映画祭があるリド島にあるスーパーの魚コーナーは良心的なお値段だと思い、そこまで買いに行くこともありました。
日本食材が欲しい時は、リアルト橋の近くにあるお土産屋さんに日本食コーナーがあったため、そこに立ち寄っておりました。メストレの中華スーパーでのお値段と比較すると少し高めですが、最低限の日本食材は揃ったのでヴェネツィア在住時には貴重な存在でした。スーパーにも日本食が売っていることもありますが、高級食材のお値段です。コロナ以前には日清のカップラーメンが売っているところがありましたが、下手したら食堂でトマトソースパスタが食べられるような値段でした。
2. 移動手段
ヴェネツィアでの移動は徒歩か水上バス。ただ待ち時間なども合わせると水上バスより徒歩のほうが早い場合が多く、私は基本徒歩生活でした。
水上バスは、Venezia Unicaと呼ばれるSuicaのようなカードで利用すれば、75分間1.50ユーロで乗れます。10回分の回数券を購入すれば割安になります。Venezia Unicaを所持していない状態で1回券を購入すると、7.50ユーロなので、かなりお得です。ただ、Venezia Unicaを作成する際に少しお金がかかりました。ヴェネツィアに住民票があればそこまで高くないようですが、私は住民票が取れていないときに作成したので、85ユーロくらいした気がします。定期券もあり、1年間有効の定期券だと少なくとも1か月分の定期代が浮くのでかなりお得です。
あと移動手段といえば、ヴェネツィア島内の子供はかなりの確率でキックボードで移動しています。狭い道でガンガン飛ばされると怖いです。よく見る光景が、親御さんが子供が乗ったキックボードを片手で支えながら歩いているところ。子供が歩き疲れている場合などに便利なアイディアだなーと常々思っております。
3. 住宅事情
ヴェネツィア島内の家賃は、部屋の大きさや新しさを考慮すると、べらぼうに高いです。北イタリアの都会であるミラノの中心地と同じくらいの家賃だと思います。個人的な経験上では、ミラノの部屋は高い場合それなりに中がきれいなところが多かったですが、ヴェネツィア島内だと条件が少し悪いと思います。
私が住んでいたところは、1LDKで月700ユーロでした。もともと月650ユーロの物件でしたが、2人で住むとなり50ユーロ値上げされました。大家はお金にシビアですね。特にヴェネト州の大家さんはケ(以下省略)
ヴェネツィア島内は湿気がすごいため、壁の塗り替えなどのメンテナンスがこまめに必要なのですが、私が住んでいたところはそういった類の手入れがあまりされていないところでした。壁にひび割れがあったり、カビが発生しやすかったりします。ただこの家の状況を地元民に話しても、ヴェネツィア島内だとそうゆう賃貸の家が普通だと言われるので、新しくて綺麗な家を見つけるのは中々大変みたいです。コロナ禍では元々B&Bをやっていた家が賃貸をするようになり、比較的整備された家がいつもより少なめの家賃で借りられるようになったそうです。
また、ヴェネツィア島内の1階(イタリアでいうところの地上階)に住むとなると、高潮でのトラブルと付き合っていくことになります。今ではモーゼという堤防が使用されるようになったため、恐らく高潮が起きる確率も高くないと信じていますが…。時々購入物件を見るとヴェネツィア島内での価格に比べて破格の物件が見つかりますが、1階であることが多いです。さらにそこに窓小さくて、光が入らない等の条件が付いてきます。
時々ルームシェアをしている友達の家に行くこともありましたが、私が住んでいた家と環境はあまり変わらない印象を受けました。また、畳4畳ぐらいの部屋に2段ベッドで寝ている学生もいました。私も学生だったらその環境を楽しめるのでしょうが、だんだん年齢を重ねると難しくなってきますね…。
少しマイナスな面ばかり書いてしまいましたが、ヴェネツィアを散歩し放題だし、いい意味では家におもむきがあるので、個人的には楽しかったです。勝手にアメリ気分を味わっている日々でした。
個人的な経験から言ってるので、こんな感じ方もあるんだなー程度に受け取っていただければ嬉しいです。書き始めたら思ったより書きたいことが多いことに気づいたので、また記事を分けて書きます。ロックダウン中に感じたことも、次の機会にまとめたいと思います。