ZENKIGEN Valueを策定しました
8ヶ月に亘り協議していたZENKIGENのValueが完成しました。
先ずは全社員でValue策定合宿を行い、皆で意見を出し合い、その後プロジェクトメンバーで集まり喧々諤々、何十時間も話し合い、時には出口が見えず プロジェクトが空中分解しそうになりながらも納得のいくValueが完成しました。
まずValueがZENKIGENにとってどのような価値体系に基づいたものなのかを整理します。
まず前提として、「経営理念」「Philosophy」「mission」「使命」「value」「行動指針」とか この種の言葉の定義は経営書の類には様々な 定義が存在します。
多くの会社の事例を見ましたが、結論それぞれの会社が自社にしっくりするものを定義すれば良い、というのが私の中での結論です。
ということで、ZENKIGENにおける価値体系を整理し、認識を合わせる作業からスタートしました。
ZENKIGENの価値体系を整理する前に、もう強烈すぎて嫉妬するくらい本質的過ぎる経営理念とビジョンを掲げている会社がありますので紹介させていただきます。
それは赤ちゃん向けの様々なグッズを提供するPigeonさんです。図らずもPigeonさんは当社のクライアントでありご縁を感じずにはいられません。
① Pigeonの経営理念
強く信じる経営の根本の考え
「愛」
② 社是
「愛を生むは愛のみ」
もうこの時点で卒倒しそうになりました。
そして
③ Pigeonの存在意義
と続きます。
我々が社会において存在している意味、
そして果たすべき役割
赤ちゃんをいつも真に見つめ続け、この世界をもっと赤ちゃんにやさしい場所にします
④ 基本となる価値観
社員一人ひとりが大切にするもの
⑤ 行動原則
我々のすべての行動のベースとなり、
ガイドとなるもの
そして最後が、
⑥ ビジョン
目指す理想の状態、到達したい姿
世界中の赤ちゃんとご家族に最も信頼される育児用品メーカー
“Global Number One”
と、経営理念、社是、存在意義、価値観、行動原則、ビジョンの6つの軸でPigeon Wayが構成されています。
強く信じる経営の根本の考えが「愛」と言い切れるPigeonさんは本当に素敵です。
さて、Valueを検討する際に大切にした考え方は、
・美辞麗句な合言葉ではなく、判断・決断が困難な場面で「拠り所」になること
・バリューは「行動」されて初めて意味を持つ。だからZENKIGENの仲間が日々の活動で頻繁に使える「キャッチーでわかりやすい」こと
・これから作り上げる「文化=組織・会社」や「未来=ビジョン・事業」とのつながりを示し、「皆が大切にできるバリュー」であること
ということです。
さて、前置きが長くなりましたがZENKIGENの価値体系は「Philosophy」「Value」「Vision」の3つです。
ZENKIGENの「Philosophy」「Value」「Vision」の3つの関係性を図で示すと上記のように逆三角形になります。
「Philosophy」はZENKIGENの存在意義そのものです。存在することで社会に貢献できるものでなければ存在する意味がない考えます。儲けて税金を払うだけでも社会に貢献していると言えなくもないですが、その事業を通じて社会の健全なる発展に貢献していなければZENKIGENは存在しなくても良いとさえ思います。もしZENKIGENが数十年後に社会の健全なる発展に貢献しないどころか社会の価値を毀損する会社になってしまったら、解散すべきというくらい「Philosophy」=存在意義は大切なものと考えてます。
ZENKIGENの「Philosophy」は For Our Next Generations です。社会の健全なる発展に貢献するために一丸となって働くことが今の社会だけでなく、我々大人が人生で一番時間を使う仕事を通じて、未来の世代にまで繋がる価値を生み出そうという思いを込めています。そういう意味でZENKIGENの「Philosophy」はFor Social であり、更にはFor Futureと言えます。
次に今回定めた「Value」です。実はZENKIGENには行動指針がありましたが、行動指針は個人の行動に関する内容がメインだったこともあり今回は行動指針も包含しました。Visionの実現に集う我々が日々の決断や行動において大切にしたい共通の価値観のことであり、その価値観を体現していくことでVisionの達成に近づくという設計です。
以上の考え方で定めたValueは以下の5つです。太字がキャッチーで分かりやすく日々の会話でも使われるようにする文言にし、その説明文で補足するという構成です。そして⑴→⑸に広がるにつれて個人・組織から社会、未来へと広がるイメージです。
⑴誠道を貫く
私たちが歩むのは、正しい道ではなく"誠実な道" です。
過ちには真摯に向き合い、目先の利益だけにとらわれず、社会の健全な発展に貢献する。
これが私たちの考える"誠実な道"です。事の大小を問わず、誠道を貫こう。
⑵圧倒的主体性を発揮する
何事にも強い当事者意識を持ち、役割を超えて力を発揮しよう。
自らを律し、人生を主体的に生きる。
そんな人が集まる組織は、多くのルールが不要となり、自由闊達な働き方であふれます。
時には自らの弱さと向き合い、頼り、支え合う。
ひとりひとりの意志と決断、成長が、今と未来をつくります。
⑶仲間の挑戦を支え、失敗も称賛する
"挑戦"そのものに大きな価値があります。
これまでも沢山の成功と失敗がありました。
それは、様々な課題や困難に立ち向かい、皆が常に挑戦してきた証です。
挑戦を支え、フルスイングを賞賛します。
⑷和を以て貴しと為す
個性の発揮と全体の調和の両立を目指します。
多様な価値観が集まり、共創することで"より良い社会の実現に向けた" 対話や行動”が生まれます。
決して一人では成し遂げられない、壮大なビジョンに向けて、"Team ZENKIGEN"で邁進しよう。
⑸愛のあるAIをつくり、世界を変える責任
人とAIが共創する世界を目指します。
"大きな可能性を持つAI"は、開発者、使い手の"愛"によって人の可能性を 最大化します。
新たなスタンダードを創るという誇りと責任を胸に、より良い社会を次世代に引き継ごう。
⑴誠道を貫くと⑵圧倒的主体性を発揮するはこれまでの行動指針にも入っており、日々の会話の中でも頻繁に出て来ました。実際、ZENKIGENの最大のピンチの時にも「誠道を貫く」に基づき現場判断で大きな決断をしたことがあり、とても誇らしかったことがあります。
⑶仲間の挑戦を支え、失敗も称賛するは、ZENKIGENの最も映えある賞は「フルスイング賞」であることが示す通り、失敗は悪ではなく進化の源泉であると確信しています。しかし賢い人間が増え、組織が強固になって来ると失敗を恐れ新しい挑戦がしにくくなったり、失敗するとそのチームや責任者に次のチャンスが巡って来なくなるような企業文化の会社となってしまえばイノベーションが生まれることはまずあり得ません。企業経営である以上故意に失敗をするなど許されませんが、全力で挑戦した結果の失敗は、称賛に値するものです。
⑷和を以て貴しと為すは聖徳太子が十七条憲法の冒頭に掲げた日本人が大切にする価値観のことであり、禅の言葉である全機現を社名にするZENKIGENらしいValueです。この意味は仲良くしなさいと言う意味ではなく、納得のいくまで議論をして決定していくと言うことです。スタートアップだからと熟考せずに1人の声の大きな人の意見だけを盲目的に信じて進んでいくことを諌めています。また会社が大きくなれば派閥や利益を出している部署の意見が大きくなったり、空気感で物事が進んでいくことも諌めなればなりません。多様な価値観が集まり、共創することで"より良い社会の実現に向けた" 対話や行動”から決して一人では成し遂げられない、壮大なビジョンの達成に向けて、"Team ZENKIGEN"で邁進する意思を込めています。
⑸愛のあるAIをつくり、世界を変える責任はイーロンマスクやホーキング博士等世界の著名な経営者や学者が、原爆よりも危険とAIの進化に警鐘を鳴らしています。2045年にシンギュラリティを迎える(もっと早まると言う説もあり)と言われ、マトリクスのようなディストピアの世界になることも危惧されています。一方でAIの発展により自動運転や医療での活用など人々をより幸せにする使われ方もしていますので、我々が作るAIには中心に愛があり、人とAIが調和する世界を創ります。それが世界を変える者の責任であると言う意思を込めています。
まとめますと、存在意義としての「Philosophy」があり、「Value」に沿った価値観で思考し、行動していくことで、テクノロジーを通じて人と企業が全機現できる社会の創出に貢献すると言う「Vision」の達成に末広がりで繋がっていくイメージでZENKIGENの価値体系を定義づけました。
Valueを定めただけでは意味がありませんので、これから浸透策を講じ、日々の会話や意思決定において重要な拠り所となり、Visionの達成に向けて社員一丸となって邁進していきます。
株式会社ZENKIGEN 野澤比日樹