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本書を読んでほしいのはこんな思いをもった方です。

・教員の多忙を何とかしたい
・なぜ教員はこんなに多忙なのか根本原因を知りたい
・教員のなり手不足に危機感を感じている

また

・学校に多様性をもちこむことに違和感を感じる
・このままだと学校教育は崩壊していくのではないか
・子どもたちを無理やり席につかせて学習させることに疑問を感じる

など、今の学校教育のあり方に、もやもや感がある方にもぜひ手に取ってほしいです。

さて、現在の学校の姿を一言で表現すると

教員が献身的な長時間労働をしているにもかかわらず子どもたちを幸せにできていない

という残念な状態になっています。それは各種調査における、いじめや不登校、幸福度などのスコアを見れば明らかです。さまざまな数値が悪い方向、悪い方向へと向かっています。

なぜこんなことになってしまったか。そこには、学校の構造や環境、歴史、政治、教員の心理などさまざまな要因があります。

もっと言えば、教員の多忙と子どもたちの幸福度は根底でつながっています。まずその構造的な原因を理解しないことには、有効な解決策は生まれてきません。

残念ながら、現在の教育施策は総じて対症療法的です。

子どもたちの学力が下がった → 学力を上げよう
教員が長時間労働をしている → 学校の働き方改革をしよう
不登校が増えた → オンライン学習を出席と認めよう

例えば学力を上げようと、教員が子どもたちを追い立てることが不登校の増加につながったり、教員の多忙につながったりという反作用を生じさせることに多くの人が気づきません。学校教育を構造的に捉える視座が欠けているからです。

本書では、現在の学校の姿をできるだけ客観的に浮かび上がらせた上で、ぼくが考える「未来の教育」の具体像を提案しています。

読まれた方には、

・現在の学校教育の何が問題なのか
・今、学校教育はどのような流れの上にあるのか
・様々な解決策のメリットとデメリット

を理解していただけると思います。
ぜひ、ご自身がこれからの学校教育を考える上での参考にしていただければと思います。

ぼくが考える未来の教育は現在の延長線上にはありません。

明治時代に始まった「学校1・0」は、基本構造を変えないまま「学校1・1」......「学校1・9」へとバージョンアップしてきた。このまま「学校1・ 99」「学校1・999」と転換を拒み続けるのか、「学校2・0」へと進化するのかのターニングポイントに立っている。そして進化への扉を開く鍵はぼくら教員が握っている。

『先生2.0:日本型「新」学校教育をつくる』より

そして、書名の「先生2.0」は、ぼくが考える理想の教員像です。これが実現すれば、教員のなり手不足問題は解消し、再び、人気職種になるでしょう。

今のところ、読んだ方からは、「分かりやすい」「頭が整理された」「一気に読んだ」という感想をいただいており、ホッとしているところです。
ぜひ、手に取っていただければと思います。


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