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ボードゲーム編集者とは?

「ボードゲーム編集者って何?」
とよく聞かれるので、自分はどう思っているかをざっくり書いてみます。

そもそも、この職種の人ってあんまりいないようで、検索してもよくわからないんですよね……。なので自己流なことも多々含まれていると思います。

※個人の考えです。会社の総意ではありません。
※同業の方で、「それ違うだろ!」というのがあったらツッコミお願いします🙇‍♂️

ボードゲーム編集者を一言で言ったら「磨く人」かなと思っています。

ボードゲーム編集者がやっていること

自分の場合ですが、多くは元となるボードゲームがあり、つまり原作者(ゲームデザイナー)さんがいて、その方にライセンス許可をいただいて制作します。

目指すゴールを設定したら、ゲームのルールや内容物を含めた、すべてに対してより良くなるよう提案をして、商品としての価値を高めます。遊び方説明書の執筆も行います。

また少人数とはいえ制作は複数人(チーム)で進行します。メンバーは、
●原作者(個人、サークルなど)
●イラストレーター
●グラフィックデザイナー
●編集者(自分や同僚)
といった方々です。

※案件によっては担当が複数人いたり、他の役割の方がいたりしますが、ここでは割愛。
※グラフィックデザイン、アートワーク、DTPなど類語がありますが長くなるので割愛。

チームのすべての間に編集者が入り、コミュニケーションのハブとなります。商品の価値を高めると同時に、制作メンバーの皆さんにテンション高く、楽しんで制作してもらえるように動きます(ここが非常に重要だと教わりました)。

他にも様々な雑務をこなします。
……と一行で書きましたが、実際の仕事の7割は雑務に分類されるんじゃないかと思うくらい多岐にわたります。地味ながら重要です。それらをやらないと商品が世に出ないので。

あと、近年はつくって終わり、ではダメです。プロモーションのことも企画段階から考えたり、発売前後で色々と動いたりします。

……とまぁ、ざっくりそんな感じでしょうか。

なぜ「編集者」という表現を使うのか

自分はデジタルゲームのプランナーからボードゲーム業界に移ってきた人間です。
なので最初はボードゲーム編集者のことを、プロデューサーやディレクター、プランナーやレベルデザイナーのように捉えていました。
しかし、たしかに役割としてはどれも行なっているのですが、なんかちょっと語弊があるなぁとモヤモヤしていました。

一方、ボードゲーム制作を続ける中で思ったのが、「ボードゲームは(ほとんどの場合)印刷物・出版物なのだから、出版の文脈で捉えた方が良いのかも」ということでした。

具体的には、
●印刷物特有の考え方、工夫が必要になる
●作者の名前を前面に出し、「その人の作品」という見せ方をする
●制作が少人数(今のところは)
……などなど、小説や漫画に近いということに気づいてから、出版の文脈で「編集者」と名乗るのが一番しっくりきています。

そう考えるようになってから、漫画の編集者について仕事内容やインタビューを読むと、たしかにやっていることが近いなぁと感じます。

「原作者=生みの親」「編集者=育ての親」なんて言い方をされているのを見かけますが、育ての親は言い過ぎかなと思い、前述の「磨く人」という認識でいます。

最後に

面白いゲームを発掘し、面白さの核を的確に掴み、世の中にさらにウケるように磨いて、作家と一緒に高みを目指すというか。作家のコンサルタントというか良きアドバイザーというか。そんな感じが理想な気がします。

※偉そうに書いてますが、自分はそれほどできてないです……。特に忙殺されるとコミュニケーションが疎かになり、スケジュールが守れず、良くないですね……あぁ分身したい……。
※過去にご一緒した方々、石を投げないで……精進します……!

やるからには日本一のボードゲーム編集者を目指していますが、道は険しい。
(そして世界一はまだイメージつかないので、ひとまず日本一を目指します)

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