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蓮(ハス)の花の美しさの理由

幼い頃は蓮(ハス)が、怖かった。お盆になると、毎年仏壇に供えられるピンクの蓮(ハス)の蕾は死を連想させるのだ。でも、ある日を境にして好きになった。上野の不忍池に、見渡す限り咲く姿があまりに美しかったからだ。あぁこれが極楽浄土なんだと心の底から思った。

仏教では、ハスの花から子どもが生まれるという。奈良元興寺を訪れた時、曼荼羅に描かれていて、見入ってしまった。本堂の前に、小さな鉢植えの蓮がいくつも並べれていた。

蓮の花は朝に咲き、昼には閉じてしまう。もし午後に咲いていたら、最後のひと咲きだ。あとは花びらを散らし、種の部分だけが残る。

蓮は泥の中で育つのだが、そんな感じを微塵も感じさせない綺麗なピンクの花を咲かせる。泥から汚れのない姿で育つのという所にも惹かれた。仏像をよく見ると蓮の花の台(蓮華座)があることに気づく。仏教では蓮を神聖な花としている。

泥の中であっても、まっすぐに茎を延ばし美しく咲く姿に心を奪われてしまうのだ。

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