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断酒アプリ 非純正 燃えた電動自転車の電池の属性伝える見出し ANNA SUIが人の名前と知って…
バックヤードの扉の前の一礼は返されること前提とせず 苦労して書いた便箋抱えつつ苦労に見合…
反射神経がすこぶる良い人とぶつかり先に謝られてた 画素数の高いスマホをもつ君が撮った串カ…
午後一時ブルーシートに覆われた足場の中よりアラームの音 マネキンは在庫処分の店を出て荷台…
階段を駆け上がる人の靴裏にあるだろうアディダスのロゴを見た 寝たいのか寝たくないかの判断…
熱をもつ下ろしたての札束を抱き国道沿いを選んで歩く 年の瀬の工事現場の白旗は音なくふられ…
ニッポンのゴールに上がる歓声の中の私の声の異質さ 朝方に<無敵艦隊撃破>というテロップは踊り、私は外へ 魔女狩りの対象となる恐れあり無水カレーを作るあなたは クノールの朝のスープの底にある黄色のだまをすくう幸せ 雨粒に囲まれながら国道を深夜料金にて運ばれる 以上の5首が「短歌人」2023年2月号会員2欄(P78)に掲載されています。
妖艶な傘の骨子に守られて私は家路をゆったり歩く 土井善晴の味噌汁の中ピーマンはわたをとら…
軒下で私は私の自転車が雨に打たれる様を見ている 回転率が想像つかないHERMESの列をしばらく…
拝み屋さんがこれから来ると呟いて祖母は卓上の爪切りをしまう 終わらない閉店セールの靴屋に…
婚姻の匂いかぎつけ戦争のニュースに指輪のバナーは光る じゃあなに?と問われることを怖れつ…
旅客機の尾翼についたカメラにて右翼に描かれた日の丸を知る 南阿蘇牧水夫妻の歌碑の立つホテ…
曇天の路地を斜めに白猫は赤のボルボの下の影へと 都庁前駅で電車を乗り換える大江戸線から大…
蹴破れるほどの仕切りの隙間から名前も知らぬ隣人の足 業界に骨を埋めた仲間らは通夜の席でもおはようという ホームドア撤去工事の工員は最後の人の後ろに並ぶ 普段ならあなたと入る居酒屋であなたが苦手な内臓を食む 曇天の下でも私につきまとう影色で書く候補者氏名 選歌を受けた以上の5首を「短歌人」1月号の会員2欄(P88)に掲載していただきました。