食・ファッションから「参加型デモクラシー」への一歩を見つけよう
NO YOUTH NO JAPANのビジョンは「参加型デモクラシーをカルチャーに」すること。このビジョンに共感して、少しずつでも社会を変えるためのアクションを起こせるU30を増やすために、活動をしています。
でもそのアクションって一体何をしたらいんだろう?
なんだか生きづらいな、おかしいなと社会課題に関心を持っていても、具体的な次の一歩が思いつかない方も多いはず。
食やファッションという身近なトピックでの対話を通して「アクションのはじめの一歩」を一緒に考えるためのイベントを開催しました。
イベント概要
「ワクワク!日常×社会問題を話そう #食 #ファッション 」
2021年7月31日(土)11:00-12:30
Zoomにて開催
プログラム
オープニング
1部:日常から社会問題を見つけてみよう(ディスカッション)
2部:NYNJから わたしたちの生きたい社会を作ろう(レクチャー)
3部:今日からできることを考えてみよう(ディスカッション)
クロージング
社会課題に関心はあるけれど…を1歩、後押しするために
今回のイベントのきっかけは「NO YOUTH NO JAPAN(以下、NYNJ)のフォロワーは増えたけれど、NYNJのスタンスに共感して、自分も行動してみよう、と思ってくれる方は、どれくらいいるのだろう?」という疑問でした。
これまでのイベントの中で、たくさんの参加者の方々にお会いしてきました。イベント参加自体にハードルを感じている方、同世代とお互いの問題意識についてを共有できることを嬉しく思ってくれる方、世代を超えて同じ時間を共有できることに意義を感じてくれる方など、様々でした。
そして、参加者の皆さんに共通してたのは、社会の何かにはモヤモヤを感じていて、それに対して何か行動したい!とパワーに満ちあふれている方々だったということです。
イベントを通して、参加者の皆さん一人ひとりに秘められたパワーが、皆さんの周りの人へも伝播してほしい。イベントに参加してくださった方が、NYNJのビジョンに掲げる参加型デモクラシーに共感して、イベント後にアクションを起こしていただくきっかけをつくりたい。そんな想いから、このイベントが始まりました。
食・ファッションの写真から 社会課題について話そう
受け身で話を聞くだけではなく、社会問題について考えている、周囲の方と対話しているという体験をしていただくため、今回のイベントでは、ブレイクアウトルームでの対話時間を多めに設定しました。
中でも工夫をしたのは1部のディスカッション。ただ社会問題について考えてみよう、と投げかけるのではなく、食・ファッションに関する写真を数枚お見せし、そこから社会問題を見つけてみるワークを行いました。
例えば、「ハンバーガー」の写真からは、(環境配慮の面から)「肉」を食べるということが本当によいのか?という疑問が出されたり、家畜の飼育環境や食品輸入率が話題にあがったりしました。「福袋」の写真からは衣類品の廃棄の問題、「制服」の写真からは、制服を選ぶ自由から、そもそも制服って必要なのだろうか?という疑問につながりました。
その後、写真から見つけた社会問題が、いまでも解決につながらないのはなぜか?というテーマで、参加者の皆さんと意見交換。一人で過ごしているだけでは、なんとなく通り過ぎてしまうところを、改めて落ち着いて考えてもらう時間になりました。
続く第2部では、わたしたちが生きる社会で、どうして行動をしていく必要があるのか、私たちが生きたい社会のためにできる行動は何なのか、NYNJからレクチャー。
NYNJでは「政治や社会について知って考え、それぞれがスタンスをもち、その決定プロセスに想いを持って声を届ける」ことを「参加型デモクラシー」と呼んでいること、投票以外に、InstagramやTwitterなどで気になった投稿をシェアするだけでも、友達や家族に情報を届けたり、問題提起をするきっかけになるかもしれないことを伝えました。
レクチャー内容を受けた第3部では、イベント後に日常でできるアクションについてディスカッション。参加者の皆さんからは、
・日常会話の中で違和感のあることばを聞いたとき、私は〇〇と思う!を伝えてみる
・社会問題に関する本や映画のレビューをSNSに載せてみる
・ファッションにメッセージを取り入れる
・オーガニックな商品や紙製品のパッケージのものを使ってみる
・家族や友達と話をしてみる
などなど、今日から楽しくできる取り組みが、たくさんあがりました。
参加型デモクラシーにつながる、はじめの1歩を
食やファッションに関わる身近な社会問題について話し、考えてみることで、参加型デモクラシーにつながる、はじめの1歩を後押しできればと考えていたこのイベント。
たっぷりとディスカッションの時間をとったことで、自身がどんな課題に関心を持っているのか、今後どうしていきたいのかを言語化し、イベント後に持ち帰ってもらうことができたのではないかと考えています。
<参加者の皆さんからの声>
「自分とは世代が少し違うかたと一緒に話して、それぞれの感覚を共有していけたことがとてもよかったなと思います。また、(住んでいる)地域も全く違う人と話すことで、その地域によって抱いている社会問題への意識の違いなどが見られて、とても興味深かったです」
「写真から(社会課題を)連想してみることで、実はその人自身の考えを自然と深めたり、より発展させたりできるなと感じ、勉強になりました。」
「自分の意見を言語化することで、改めて社会問題と向き合う姿勢や方向性を感じられた。他の人の意見も参考になったし、社会問題に関心を持っている方が自分の他にもたくさんいるという事実を知れて、心強く思いました。」
今秋には、衆議院選挙が予定されています。
今回のイベントが、周りの人に少しでも自分の考えを伝えてみるきっかけとなったり、次の選挙で投票することへのモチベーションに繋がっていれば嬉しいです。
文=林玲奈・下條望恵