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ある映画館での出来事

#映画館の思い出
金曜日夜、就業後、娘を迎えに行き、間食のチャーハン、水菜レタスのサラダ、中華スープを喰わせた後洗い物をし、ハーゲンダッツのアイス2個を押し付けた婆さんと娘を残し、『仕事連中との付き合いがあるから』とウソをつき映画館へ。今回はカミさんの送迎はサボり。

一月前から言ってあるし、自分は夜、他者と遊び歩くのを嫌う人間なので何も疑われなかった。

何故ウソをつくか?

『たまにでよいから独りの時間を尊重させてもらいたい』という自分にとってありふれた考えは、ツマも婆さんも、何回説明しようが理解できないからだ。理解させられない事は説明しない。

まあ、それはいい。

で、今回は映画館で居眠りでもしようと、大して観たくもない退屈そうな戦争映画へ。

予約した際、隣の席がガラ空きだったのだが、上映開始10秒前くらいに、痩せた、ボロの帆布で出来た大きな肩掛け鞄に、デニムパンツに白いタンクトップの長い茶髪の姉ちゃんが左隣、真横に滑り込んできた。

内心、舌打ち。2席独り占めしたかったのに。

姉ちゃんは痩せていて、ちからコブは無くほっそい腕なのに上腕が発達して握力がありそう。小柄なのに大きな手。大きな目で眼鏡なし。親指側右人差し指第一関節の皮がカカトの皮みたいに厚くなっていて、職人みたいな手をしてるのをチラ見した後、意識から切り離し居眠りに専念した。

いや、専念しようとした。

しかしながら、隣の姉ちゃん、座るなり長いクラブサンド2つをペットボトルの珈琲で流し込み、続いてポテトチップス海苔塩味大袋を一袋、ロッテのアーモンドチョコ一袋、ウェットティッシュで指を拭いた後、デニムパンツでピカピカに磨いた小さめの林檎一個、ポップコーン一袋、コンビニで売ってたような(確かセブンイレブン?)イチゴサンド一袋、で、あとは殻付きピスタチオの大袋を抱えて、それをずっと食べながら、一心不乱に映画を観ていた。

喰うわ喰うわ。

世にはすごい人がいるもんだ。

フードファイターって奴か?ビックリしすぎて居眠りできなかった。

劇中にも林檎が何度か登場し、隣から香る林檎とリンクし、ちょっと忘れ難い映画となった。

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