ひかりを放って
眠れない
単純に眠くないのか
いろんな反動で眠気がどこかいってしまったのか
もはやよくわからないけど
昼と夕方に泣いたあとがまだ目の端に残っていてそれがおもたい
夜、スーパーに行こうとして玄関を出たら雨が降っていた
靴をレインブーツに替えて、傘を開いて歩き始めた 思いのほか風が強く、傘はささない方がいいと思ってたたんだ
雨は、霧雨だった
ゆっくり少しずつ濡れながら、あるいて、あるいて
スーパーの前にコンビニに寄ってキャスターを買う
夜勤の店員さんに年齢確認をされる 「大変失礼いたしました」 温度のない声だった
スーパーにたどり着き、野菜と豆腐、パン、ジャム、夜食用のプリンなどを買う どうしても柑橘が食べたくて、いよかんも買った
また霧雨の中を野菜たちと煙草を携えて、歌を口ずさみながら歩く
夜に出合う木や花の存在は静かで、うつくしくて、「あなたたち綺麗ねえ」と口に出してつぶやく
自然のものたちに声をかけることは私の日常であり癒しでもある 彼らの存在に本当にすくわれている
「helios」
というLucaさんのうたう歌がすきで、ひとりで散歩している時はよくうたう
you were born from the sun … helios
you were born from the stars …
あぁかえりたいなあ、って思う
どこに? たましいの在った場所に
水平も地平も 暗さも明るさも おそいもはやいも 寒いも暑いも なにもない、ただの世界に
かえりたいなあ、と思うのは きっと 感じられるものを感じる余裕がなくて
心が一杯いっぱいだからなのでしょう
手放したい すべてをそのままに受け入れて そのまま手放したい
たとえあなたともう二度と この世で交われないとしても
手放して 両手をあけて
ちゃんとバイバイと手をふって
在りたいところへ、あるいていきたい
ひかりを放って
すべてのひとに、どうか穏やかな夜が
やさしい眠りが、うつくしい朝が
在りますように
おやすみなさい