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都市における余白のために、僕がワインバーをつくりたかった理由
This note is written by Daiki Sakai(nowhere inc.代表)
焚き火のあるシーシャ屋「BUTTER tokyo」の構想を開始したのが2020年の10月。そこから無事にオープンしたのが約半年後の2021年の5月。詳しくは別の記事に書いてあるので割愛するが、オープンしてから今日まで、本当にあっという間だった。
拙くたっていい。僕らは生まれたてのバンドのごとく、それぞれが覚えたての楽器を奏でるように「nowhere株式会社」という物語を紡いできた。
「BUTTER tokyo」から始まったこの物語は、楽しいことも苦しいことも最終的には全て代表である自分の責任で、そんなヒリヒリした日常は、生きてるという実感を得るのには十分だった。
そして、僕はそんな起業家という職業が心地よかった。
また、そんな自分の想いに共感してくれる仲間がいることも自分を肯定する大事な要素だった。金はない。僕らは大企業ではない。だからこそ、機動力と想いがある。溢れんばかりの想いを空間に乗せて、仲間と事業を拡張させて、今日この日までなんとか走ってきた。
そして、来たる2023年6月。僕らnowhere株式会社としては二店舗目となるオフラインビジネスの挑戦として味わい・余白を体感できるワインバー「haku」をオープンすることとなった。
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「余白」ってなんだろう。
最近、友達と話していても、「余白」を大切に生きていきたいという話をよくする。いつ来るか分からない理想の未来のために仕事に忙殺されるのではなく、意味あるモノ・コトに時間とお金を使い、今この瞬間を豊かに暮らしたいと感じる人が増えているようだ。
語弊を恐れずに言えば、僕にとってコロナは追い風だった。リモート推奨の世の中となり、働き方に場所の制約がなくなった。パソコンを片手に日本各地を巡った。遊ぶように仕事をする、"好き"にまっすぐ向き合って働く。新たな場所や価値観に触れ、感性を磨き、自分と向き合い、それを表現することで仕事に生かすことができた。
大学を卒業してから、ずっと音楽の道を志して生きてきたキャリアもポジティブに作用した。いわゆる会社勤めのような働き方をしたことがないからこそ、コロナ禍のような不安定な状況においても、前向きに捉えられたのかもしれない。
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ふと、考えてみた。「余白」ってなんだろう。
いつでも好きな場所に行けることなのだろうか。空間的に広いスペースで心地よく過ごすことなのだろうか。自然に触れて、ゆっくりと流れる時間を感じることなのだろうか。仮に"自然に触れること"を「余白」と定義した場合、都市ではそんな体験は得られないのだろうか。
答えは、否だ。僕らは、この都市における「余白」という問いに向き合いたいと思う。
都市とは、東京・渋谷である。あらゆる情報やテクノロジーが集約され、美味しいご飯や、素敵な音楽に溢れた上に、治安も良い。生きるのに全く苦労しない街だ。そんな日本が誇る渋谷という街が、僕は好きだ。
きっと、捉え方なのだと思う。
どんなに素敵な音楽も、心が荒んでいたら全く違う音楽に聞こえるように、東京・渋谷だったとしても、場がもたらす空気感や心地よさによっては「余白」を感じられるはずだ。
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「人生に、心地よさを。」というパーパスを掲げている我々nowhere株式会社。一体、心地よさとは何なのか。
海辺に座り、遠くからやってくる波の音に耳を澄ませること。飲んでほしい相手を思い浮かべて、豆を挽き、一杯のコーヒーを淹れること。パチパチと音を立てて揺らぐ炎をただじっと眺めること。
僕らはそう解釈し、事業を進めている。では、ワインバー「haku」ならどうだろう。
どんな味なのかという結果を楽しむだけじゃなく、どんな意図で、どうつくってるかを想像し、今この瞬間の「味わい」を深めること。
つまり、ワインやスパイス料理を食べるという行為の消費だけではなく、その食材がどういう背景で、どういう想いで、どのようにつくられているかを汲み取ること。そして、「どこからこの食材が運ばれてきたんだろう。」「海風を超えてここまでたどり着いたのかな。」「しっかり噛み締めてみたら甘味の奥にこんな苦味があったんだ。」など、五感を通して頭の中で想像し、感じとること。
そんな体験はきっと、シンプルな食事という概念を超えて、美味しさの解像度を上げるのではないか。そして、そんな面倒で贅沢な「味わい」という体験を、ワインやスパイス料理を通してつくりあげることこそが、今回のプロジェクトの叶えたいゴールであり、都市における「余白」なのではないだろうか。
今回の「haku」というプロジェクトは、まさにそんな挑戦である。
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hakuという名前は「余白」の白から取った。"白を告げる"と書いて告白というように、この場所に集う人たちは、自分の好きなモノ・コトを存分に語ることのできる優しい空間になってほしい。また、悩みがある時は弱音を"吐く"場所として、誰かにとっての温かい居場所になってほしいという想いもある。hakuに集う人たちのあらゆる"告白"が溢れる場になれば、それほど嬉しいことはない。
概念的な話ばかりしているが、ワインバーとしての実力も期待してほしい。頼もしい仲間たちとスパイスにこだわったご飯の試食や、色んな産地のナチュールワインの試飲を繰り返し、日々ブラッシュアップを重ねている。空間においても、僕らが作りたい世界観を助長するストーリーを持ったインテリアを置き、流れる音楽はその場の空気をつくりあげるSomething goodな音楽をチョイスした。
実力あってこその飲食店である。間違っても順番が逆になってはいけない。そんな想いを胸に僕らは店づくりに励んでいる。
ちなみに、なぜスパイス料理のある自然派ワインバーにしたかというと、シンプルにワインが好きだからだ。スパイスが好きだからだ。好きという感情に勝るものはない。
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2021年に創業したnowhere株式会社は、2期目の中盤に差し掛かった。総勢10人ほどの仲間と、人生における心地よさに向き合うという壮大な問いに対して、まっすぐに挑戦している。そして、そんな未来を信じて、今この瞬間を生きている。
味わい・余白を体感できるワインバー「haku」。
ここで紡がれる時間もまた、僕らのパーパスである「人生に、心地よさを」もたらしてくれるに違いない。そして、それぞれの心地よさを突き詰めた先に、より豊かな世界が続いていくと信じて、誰しもが心豊かに「今」を生きられる事業を、僕らは追求している。
僕らは、そんな未来を信じている。
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おわりに
実は、本日誕生日を迎えました。30代というまだまだ仕事に突っ走れる最高の年齢。これからも頑張っていきます◎
また、hakuの今後ですが、5月の中旬にクラウドファンディング、6月の頭にオープンを想定しています。詳細は僕やhakuの公式SNSにて随時更新予定なので、ぜひ見ていただけますと幸いです◎
haku
Instagram:https://www.instagram.com/haku_shinsen/
酒井大輝
Twitter:https://twitter.com/_daikisakai
Instagram:https://www.instagram.com/_daikisakai/
改めて、ここまで読んでいただき本当にありがとうございました。どうかこれを読んでいるあなたと、いつの日か「haku」で乾杯できるその日を楽しみにしています。
そして、まだどこにもないものを、今ここに、自らの手でつくり出していく。そんな事業を軸に邁進していく僕らにご期待ください。
nowhere inc. 代表
酒井大輝