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"I'm proud of you."オブセッション(後編)そして"What's wrong with that?"

"I'm proud of you.(あなたを誇りに思う)"っていうの、なんか気持ち悪いな。そんな話を前回書いた。とくに何か特別なことを達成した場合。そのときに他者が簡単に「誇り」なんて言葉を出してくるなよ、と。

「天使にラブ・ソングを2」で主役の女の子が上手に歌い上げた後で、親が登場して「あんたは誇り」って言う構図。子供は例えば親に誇りに思われたいし、親はそんなふうに子供を誇りに思いたい・・・のか?やや偏った解釈をしすぎてるかも知れないんだけどね。こういうシチュエーション多くないですか、と思うのだ。

一方、僕の心に爽やかな風を吹かせるセリフが「ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー リミックス」に登場する。シリーズ第2作で、主人公のピーター・クイルって人物の父親が、実は宇宙の神様族みたいなヤツであることが判明(ぶっとんでるが)。で、そのオヤジが「神様族として宇宙を支配しようぜ」と誘うの。

しかしピーターはエゴ(オヤジ)の自己中な提案を断り、宇宙の落ちこぼれ軍団の仲間たちと一緒にいることを選ぶ。エゴは「お前はあんな奴らと一緒にいる必要はない。神なんだから」と諭すのだけど、そこでビシッと息子のセリフ。

"What's wrong with that?(それのどこが悪い?)"

それがどうした。それが俺なんだ…ってことやんね。カッコいいじゃない!親の顔色を伺わず、落ちこぼれ軍団であろうが自分を全肯定。そこにはもちろん葛藤も紆余曲折もあるんだが(親子絡みの)、最終的に自分のありかたに誰にもイチャモンはつけさせへんぞ、と言える毅然とした態度にシビれたのだ。

自尊心の自給自足みたいなもんが、そこにはある気がしていて。すごくないと他者からの誇りに思われない、あるいは他者のことを誇りに思わない、そんな価値観とは一線を画している。

ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー vol.3にも、同じようなくだりがある。そっちは、「あるがままでいいだろうが」というメッセージがビシッと込められていた。

誇り云々を否定するような論調になっているけど、考え方は人それぞれなので、それはそれでありだと思う。ただ僕は、誰々に誇りだと言ってもらうように立ち回ったり願ったりするよりも、"What's wrong with that?"とか"This is me"って言うほうを好む(このセリフは「グレイテスト・ショーマン」から)。

映画に込められるメッセージの、時代ごとのトレンドってあるんだろうかね?「ガーディアンズ」のシリーズや「グレイテスト・ショーマン」は2010年代以降なんだけど、映画をつくる人や、世の中の意識って変わってきてるんだろうか。そういえばあるがままを肯定するようなメッセージは、「エブエブ」にもあったような気がするな。

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