ガジェヴのスクリャービン、とホロヴィッツの最後の来日公演
まもなく来日するアレクサンダー・ガジェヴの今回のリサイタルでは、すべての公演でスクリャービンのソナタ第9番「黒ミサ」を、東京ではエチュード7曲を演奏する。
私にとってスクリャービンはなんといってもホロヴィッツ!音楽業界にはいるきっかけになったのがホロヴィッツ最後の来日となった1986年初夏の昭和女子大学人見記念講堂での演奏会だった。
吉田秀和氏がひび割れた骨董品と評した1983年の来日公演には行けなかったが、大学3年だった私は「今回こそは」と招聘元の梶本音楽事務所に電話をし