愛しいあなたと運命の出逢い
たまたま用事があり、東京の立川というところに行った。
用事を済ませてグランデュオ立川の1階を通って駅に向かう途中、催事場を通ると「くまもと・鹿児島フェア」なるものが開催されていたので横目で見る。すると私の瞳にあるものが映った。「いきなり団子」だ。
なんということだ。あのいきなり団子だ。益田ミリ氏のエッセイ、「47都道府県 女ひとりで行ってみよう」内で益田氏が大絶賛していたあのいきなり団子。
エッセイを読んでから数か月、一度食べてみたいとずっと思っていた。しかし食べるには九州まで飛ばなければならない。九州に行く予定も気力もない。(私は通販はやらない。決してできないわけではない、誇りを持ってやらないのだ。深く追求すること勿れ。)
嗚呼、いきなり団子よ。あなたは一体どんな姿形をしていて、どんな味なのだろう…まるで恋する乙女のような気持ちだった。
そんな遠い存在だったいきなり団子が、くま純さんというお店の店頭で山になって売られている。私は全身に電撃が走り、思わず彼(いきなり団子)の姿を二度見、三度見した。
今日は用事が済んだら聖戦(パチンコ屋)へ赴く。そう心に固く決めていた私は逡巡した。脳は射幸心の奴隷であり一刻も早くパチンコ屋に行きたい、こんなところで寄り道をしている場合ではないと私の中の悪魔が囁く。私は一度はくま純さんの前を通り過ぎた。
しかし、私は立ち止って考えた。ここで購入しておかなければ次の機会はいつになるのか。それこそ熊本まで行かないと一生巡り合えないのではないか。
私は踵を返し、くま純さんの行列に並んだ。(くま純さんのところだけ行列ができていた。くま純さんは名だたる人気店なのか。)
自身の中での壮絶な葛藤の末、いきなり団子を我が物とした。彼は予想以上に中身が詰まっているらしくズシリと重い。私はなんとか鞄に押し込んだ。
聖戦の後、我が家でゆっくり頂こうではないか。
なんとか生きて家に帰り、戦いに疲れた身体で椅子に沈みこんだ。そして念願のいきなり団子にかぶりついた。
安物の饅頭のようなパサパサした皮ではない。お餅のようにモチモチした厚手の皮、中身はつぶ餡とさつま芋か。素朴でありながら優しい甘み。そしてとても食べ応えがある。小学生男児の3時のおやつにピッタリの印象を持つ。
とても満足な一品だった。なによりこの数か月恋焦がれたものに巡り合えたことが非常に嬉しい。これを運命の出逢いと呼ばなければ何がデスティニーか。
あまりに感動したので、期間中にもう一度買いに行くことを心に決めた。
いきなり団子に興味を持った諸兄!現在、グランデュオ立川さんで9/11まで「くまもと・鹿児島フェア」が実施されております!是非足を運んでみてはいかがでしょうか!非常に美味なるものでございました!