『じゃぁ、一緒に住む?』
『じゃぁ、一緒に住む?』
ことの発端は、、そうだな
実家を出て自立したいと思った2人が、ちょうど同じ時期にそれを考えていたからであろう。
我々は元からの知り合いである。
“元”を辿るならそれは幼稚園からだ。
徒歩1分もかからない場所にお互いの実家があり、地区も同じ、小学校へ通う登校班も同じであった。
幾度となく通学路を共にしたのは間違いない。
いわゆる幼馴染と呼ぶに相応しい関係性だ。
もしそれが異性同士であれば、なんとも甘酸っぱいラブコメが始まりそうな耳心地の良い関係である。
しかし我々は同性同士であった。
最近ではLGBTへの理解を示す風潮があるので、“しかし”と続けるのは間違いだったかもしれない。
同性同士でも甘酸っぱい関係にはなり得る。
と踏まえた上で、我々が育んでいるのは友情であると述べておこう。
正直小学校の頃に我々がどんな話をしていたのかは全く覚えていない。
ただ家が近くて時間を共有することが多かったから、という理由で仲良くなったのではないだろうか。
そう思うと子供の頃からの友達というのは、その人間の為人を判断するまでもなく友達になり、なんだかんだ関係が続いている、とても曖昧な友情と言えるのかもしれない。
そんな曖昧な友情が27歳という年齢になり、まだ続いているのだから面白いものだ。
ところで、我々2人には共通点がある。
その1つは、今後の人生の歩み方が定まっておらず、まだまだ考え続けている最中ということだ。
自分探しと言っては少し大袈裟に聞こえるかもしれないが、自分の幸せとか、自分の生き方とか、そういうものがはっきりと見えていないのではないかなと思う。
そんな人間2人がこれからどんな暮らしをしていくのか、当事者である自分自身も楽しみである。
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