超えられぬ地平の前で

☆photopos-2721 　2022.2.18

超えられぬ地平の前で
わたしは佇む

わたしの眼は
見えるものの地平を
超えることのできぬまま
地平の彼方から訪れる光を待つ

わたしの耳は
聞こえるものの地平を
超えることのできぬまま
地平の彼方から訪れる音を待つ

わたしの鼻は
香るものの地平を
超えることのできぬまま
地平の彼方から訪れる香を待つ

わたしの舌は
味わうものの地平を
超えることのできぬまま
地平の彼方から訪れる味を待つ

わたしの体は
触れるものの地平を
超えることのできぬまま
地平の彼方から訪れる物を待つ

わたしの心は
感じるものの地平を
超えることのできぬまま
地平の彼方から訪れる感情を待つ

わたしの思考は
考えるものの地平を
超えることのできぬまま
地平の彼方から訪れる思考を待つ

それは祈りだろうか
それとも諦念だろうか

世界はいつも
わたしの前に地平となって現れる

※愛媛県松山市・重信川河口にて