えのもとえつこ 作・さとうあや 絵 『こどものとも 2021年9月号/なぞなぞあそび これなーんだ?』
☆mediopos-2455 2021.8.6
さいしょに
答えがわかっていると
なぞなぞは
おもしろくない
わからないで
いろいろ考えてみるのが
おもしろい
すべての問いは
そんななぞなぞあそびのようだ
さいしょに
答えが決まっている問いは
おもしろくはならない
答えのわからない問い
答えがまたあたらしい問いを生むような問い
そんな問いこそおもしろい
スフィンクスのなぞかけへの答えも
答えがわかればいいわけではない
なぞかけをきっかけに
生とはなにかという問い
死とはなにかという問いへと
導かれることのほうに意味がある
「人間は自由なのか」という問いも同じ
自由であるか自由でないかを議論しても
あまり意味はない
意味があるのは
じぶんのなかにある「自由」の種を
育てるためになにをしているのか
そのことをこそ問いにすることだろう
■えのもとえつこ 作・さとうあや 絵
『こどものとも 2021年9月号/なぞなぞあそび これなーんだ?』
(福音館書店 2021/08)
(えのもとえつこ 作者のことば「「なぞなぞ」の思い出」より)
「懐かしい「なぞなぞ」があります。
“すんずり姫こが立てた謎、かんずり姫こはとけないで、朝日長者がといたなぞ”
これは信州のなぞなぞで、“すんずり姫こ”は雫、“かんずり姫こ”は寒気で、答えは「つらら」です。このなぞなぞを知ったのは今から45年前、日比谷図書館で開かれた瀬田貞二先生の講座でした。“解ける”を「氷」と「謎」の両方に掛け、その上“すんずり姫こ”、“かんずり姫こ”、“朝日長者”とまるで昔話の世界を彷彿とさせる組み立て方の巧みさに魅了され、帰りの電車でもなぞなぞの事で頭がいっぱいになりました。
ところで我が家の子どもたちは、自動車が苦手で、乗るとすぐに「降りたーい!」と言い出すことがよくありました。何とか気を紛らわせようと、車中よくしたのが、「なぞなぞあそび」でした。何とかして解こうと、夢中になっている子どもたち、一つのなぞなぞを、子どもの様子に合わせ、繰り返し唱える私。運転する夫も一緒に楽しんでいました。子どもが高校生になり、家族で尾瀬に行ったときのこと、木道を歩いていて娘が突然「紙をかむと葉が抜ける、どう?」と言ったのです。このアイデアを基に、「ホチキス」のなぞなぞができました。
それから年月が経ち、遊びに来た孫と、なぞなぞあそびをいくつもしました。すると帰った幼い孫は娘に「紙をかむと葉が抜ける、なーんだ」と、あのなぞなぞを出したのです。不思議な繋がりを感じる出来事でした。子ども時代、人は言葉に不思議なほど強い関心を示します。おもしろい!と感じると何度も何度も反復し、言葉を自分のものにしていくのでしょう。」
「ヒネッタくんが
あたまを ひねる
でてきたものは
つかめるようで つかめなく
みえないようで みえるもの
みんなを
ひやひや させるもの
これなーんだ?」
「あなたは だれ
あなたは わたし
わたしが みると あらわれて
わたしの まねする あなた
あなたは だれ
あなたは わたし
これなーんだ!」