わたしたちの問いは 岸辺のない海のように
☆photopos-2950 2022.10.6
わたしたちはいつのまにか
この生に投げ込まれ
そのわからなさのなかを
生きて死んでゆかねばならない
そのわからなさを
わかりやすくするために
宗教はうまれ
そのわからなさを
意味のなさとするところに
ニヒリズムは生まれる
わからないながら
その無常のなかを
かりそめのわかりやすさを求め
お金や力や評価のなかを
うまく泳ぎ渡っていこうともするが
やがてそのわかりやすさは
泡沫のごとく消え去ってゆく
わかりやすさに拠らず
わからなさを意味のなさともせず
無力な知識とあてどなき感情を抱えながら
生に呑み込まれず
病を苦にすることもせず
死を恐れることもなきように
わたしたちはどのように
生きてゆけばいいのだろう
わたしたちの問いは
岸辺のない海のように
果てなき時空へと繰り出す宇宙船のようだ
※愛媛県久万高原町・古岩屋にて