鎗留の城 制作ノート 12
鎗なのか槍なのかはっきりしろ！（自己ツッコミ）
あ、すみません。
2020年1月13日に『鎗留の城 一』をなんとか公開できた訳ですが
表紙の題字や製作ファイルの名前が「槍」となっているのに前日に気づいて慌てふためきました。どっちでもいいんですが以降はなるべく「鎗」で統一していきます。
※ 『鎗留の城 一』を先にご覧いただけますと幸いです。
鎗留の城 一｜novak @novak_cub #note https://note.com/novak/n/n748b64ada935
どっちでもいいと言えば、自分のハンドルネーム「Novak」、のばくとお読み頂きます。
それこそ漢字は当て字でどちらでもいいと思っていますが、どちらかというと「野獏」を使用したいと思っています。
先日、koboとBOOK☆WALKERでも公開しましたが、いきなり作者名を別々に間違えて登録してしまい軽く焦っております。
それはともかくとして、今回のサブタイはこちら↓
ネイティブ秋田弁解説
いやー、構想時はこんなに秋田弁のセリフが入るとは思っていなかったのですが
一人話し始めるともう止まりませんでしたー。
お話の進行にはほぼ関係ないのですが、結果的にやや臨場感というものが出たかな、と、悦に入っております。
一番最初に話し始めたのは、ヒロイン・ユキちゃんでした。あなた四郎さんの前ではがんばっていい言葉で話そうとしてたんだねー。
さてさて、そんなユキちゃんの地が出た第一声、「じっちゃ」に続くセリフの中で多用しております、こちら↓
①「さ」
「神明山さ行かったよ
おらさつかまれ」
じっちゃ「姫ささ肩っこ借りて山さ登るにえったど」
少年1「ばが喋さねで」
ここの会話「さ」率がかなり高いです。40文字中6文字が「さ」。15%を占めます。まあ多めの部分を抜粋してる訳ですが。
ここで漢字の読みの中に「さ」はないですが、例えば「山王様（さんのうさま）」などが入ったら「さ」で軽く脳内ゲシュタルト崩壊状態です。
なお「さかさま」と言う単語を例にしないのは「かっちゃま」と言う秋田弁があるからです。
さて、分解解説してみると、ここでの「さ」はだいたい三つの用法です。
一つ目が「～に」の代用。
「どさ（どこに行くの）」「えさ（家に帰るよ）」
などの会話で説明されるのを耳にしたことがある方もいらっしゃるのではないでしょうか。
秋田というか、北国は寒いのでなるべく口を動かしたくないから言語が省略されて短くなるという説がありますが、あながちでたらめでもないと思います。さらに、屋外で喋る時に風雪激しい場合、「～に」「～へ（え）」だと聞き取りにくい。
次に、「さん、様」の代用。「姫さ」はつまり「姫様」。
もう一つが、「する」の否定形「さね」
「ばが喋（しゃべ）」は軽口や無駄口、世迷い言を意味する一つの単語として扱います。
「ばが喋さねでちゃっちゃど足動かせ」は
「バカなことを言ってないでさっさと歩いてくれよ」となるわけです。
②「こ」
肩っこ、火こ、『一』の作中ではこんなもんでしょうか。
名詞にはほぼ何にでもつけられます。
可愛らしいものや好ましいものにつける傾向があるようです。
犬っこ、鳥こ、虫こ、花こ、豆こ、稲こ、皿こ、鍋こ、椀こ、
手っこ、耳こ、まなぐこ（目・まなこですね）、指こ、
酒こ、醤油こ、菓子こ、砂糖（さど）っこ、
あっこと言えば幼児語で水のことです。
おっと、ごはんはままですが、ままことは言いませんね。
ままこと言えば実の子でない子のことです。
童子（わらし）こ、あねこ、ぼっこ
あー、少年期以降の男子や大人にはあんまり使いませんね。長男のことをおんちゃと言いますが、（勘違い失礼しました。
「おんちゃ」は次男、長男は「あんちゃ」でした。
ユキちゃんが靫負さんのことを「あんちゃ」と呼んでいます。12/5修正）
あんちゃこ、おんちゃこといえばせいぜい十歳くらいまでのイメージでしょうか。
一人こ、とは言っても、二人こ三人ことは言わないんですよね。
この↑「こ」はなんなんでしょう。名詞につく「こ」とは違うかも。
③「きかね」
「大丈夫だってきかねもの」の「きかね」は普通に
「言うことをきかない」の意味ですが
「きかね婆さまだもの」の「きかね」は
元気なとか、頑固なとか、精神的に強いなどを意味します。
言うことをきかないことそのものを意味することも。
「きかね童子（わらし）」「きかね女子（おなご）」など
元気すぎて手を焼くというような
強さが周囲を当惑させるようなニュアンスで使われます。
このノートも、３年以上下書き放置していたものですが、その間
ネイティブ秋田弁を喋るキャラが増えております。
「このセリフの意味わかんねーよ！」などのご意見をいただければ
そのうちまた解説するかもしれません。
おっと、画像とタイトルの番号にズレが生じておりますが
何卒ご勘弁を…