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アルゼンチン移住生活における    我が家のモノの貸し借りのルール


2024年最後の投稿となります。
2025年も良い一年にしましょう!


アルゼンチンでの父子生活も三年が経過した。
15歳になる息子の学校やサッカーでのコミュニティを構築する中で、モノの貸し借りについて父子で決めたルールがある。


・交通系ICカードは残高がマイナスで返ってくる
・現金は翌日に半額、翌々日にさらに半額返ってくる
・サッカーのすね当てを貸したまま忘れられる
・練習の水筒には持ち主には権限がない
・売店でジュースを買う時は大きいのを買わせる(シェアする)

モノの貸し借りトラブル一覧(笑)


日本人で言葉能力の弱さにつけこんで起こる事象かと思っていたが、どうもそんなことではなく国民性が大きいことがわかってきた。
明確なのは親の関係が根本にあるせいか、学校の付き合いではこういうトラブルが少ない。サッカーチームでは、子供だけで連絡することが通常なので、大人の介入する余地がない分だけトラブルになりやすい(気がする)。


美しい建造物


・交通系ICカード

公共交通機関には日本と同様に、交通系のICカードが存在する。基本的に現金の受け渡しがなく、このICカードがなければ乗車することが出来ない仕組みだったりする。
バス車内での運転手への強盗の防犯対策らしいが、車内ではカードに課金することもできず不便さも感じる。
我が家では、息子に予備のカードを持たせて残高不足などの緊急用に携帯している。稀にICカード(残高)がなくて困っているチームメートに貸してあげることもある。
これが一度貸すとなかなか返ってこない。
こっちもその覚悟で貸しているし、大したことではないのだが、忘れた頃に返されたICカードの残高が決まってマイナスになっている。(一回目の残高不足ならマイナスで乗車できる)
しっかり使い切ってから返すということなのか、真意は定かではないが、その分の金額を返すということもない。
言ってみれば大した金額ではないのだが、帰宅できない不安に同情したのにって思う親切心の無駄使いかとさえ思えてしまう。


丸の内線車両(網棚付き)が走るアルゼンチン


・現金を貸す

例えば1000peso(AR)を貸してあげるとする。すると、次に会うと500pesoは返してくれる。さらに次回、250pesoが返ってくる。
まるで借金取りに現在の所持金の返済をするかのような気分。最後は貸した側が残額を忘れて、うやむやになるっていうあるある。
我が家では、催促は一回だけと決めている。返す素振りが無ければ二度と貸さないし、付き合い方も考えることに決めている。「いつまでに」という言葉の約束さえあれば、それでいいというルールにもしている。
貸したお金は基本はないものと思う、という社会勉強にもしている。


・サッカーのすね当て問題

試合の当日、貸すこと自体は悪い事とは思わない。
無いフリをしているだけなのか、返って来ないというケースが多々あった。トイレで手を洗っている隙に、小さな男の子(8~9歳くらい)が持ち去るなんてこともあった。
決して、高価なものでないので罪悪感もないのかもしれない。日本でいうところのビニール傘みたいなことなのか。
後日会った時に催促をすると『は!?』ってリアクションをする。借りても一度は知らないフリをする。『ごめん、忘れてた』が言えない文化なのかもしれない。
日本人ほど謝る国民もいないという。謝りたくない、が先行するのかこっちが諦めた頃に返ってくることがあった。


・練習用の水筒のこと

練習中の水筒はみんなのもの。と言うことは、持ってこないのが得と思っている人もいる。夏場に工夫を凝らして魔法瓶タイプの水筒を持っていれば、練習の前に中身はなくなる(笑)。
良さげな水筒から中身がなくっていく。カバーのある水筒も同様で、うちは水筒を凍らせてカバーで持参している。
いつも飲もうと思うと、カラになってしまう。なので練習後に飲む用に別のペットボトルを凍らせて隠し持っている。それを知っていて近寄ってくる輩もいるらしいけど(笑)。


謎の落書き(♡マーク)


・売店で買うジュース

練習終わりに売店でジュースやらを買い食いする。それは日本と同様で、練習後の楽しみだったりもする。そこに付いてきて、ジュースを大きいペットボトルで買うように仕向ける子がいる。
数百pesoの差額なので、割り勘でもらえると思いきやみんなで回し飲んで1/4くらいの2Lサイズのペットボトルだけが残されてくる。
もちろん割り勘で払ってくれる子もいるんだけど、常套手段にしてしまっている子がいるから始末に負えない。


日用品が急に壊れる国


これも含めて海外生活の社会勉強。
ケチなことばかり、と自虐的に考えてしまうこともある。しかし、モノの貸し借りにはシビアであってほしいと思うし、人の助けになるという思いがそういう気持ちで返ってくることは悲しいことでしかない。

一度貸して返ってこないなら、それまでのこと。
友達とは呼べない関係なら何かあっても、助けようと思いたくなくなる。そういう取捨選択もしていかないといけない年齢なんだと思う。
日本人である以上、文化の違いもあるけれど割り切って付き合っていかないとキリがないこともある。

持ち物を見て『コレは日本製?』と聞かれることも多い。
興味以上に何を思って聞いているのか、疑ってしまうこともある。疑うことからスタートしないと、先の予想もできないのである。

新品を見せびらかすこともリスクだし、名前を書いてしまうことで狙われるというケースもある。自分を外国人と自覚した上での付き合い方や、防御策を講じることが必要だと3年目にして学ばせてもらった気がする。


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