パニック障害 アーユルヴェーダ的知見

「パニック障害」
数年前から友人、知人のパートナーなど
パニック障害という言葉を聞くことが増えている
パニック障害の主な症状は以下の通り
不安
動悸
脈拍数の増加
身体手足の震えや痺れ
息切れ、息苦しさ
窒息感
胸の痛み、圧迫感
吐き気、腹部の圧迫感
目眩、ふらつき
現実感の喪失
自己喪失の不安と恐怖感
死への恐怖
冷感、熱感

アーユルヴェーダの古典には、
これらの複合的な症状を持つ疾患は記されていない
現代の社会環境が生み出した障害なのだろう

これらの症状をアーユルヴェーダの見地で分析してみると
全ての症状がヴァータの乱れ、これが根本原因にある

このヴァータも5つに分類出来るけれど、その中でも
ヴァータの根本である「プラーナヴァータ」の影響
これがパニック障害の主な原因であると当てはめる事が出来る

プラーナヴァータとは、主に外界から内側に向かう働きの総称
存在位置の中心は脳にあり、脳から脊椎⇒胸まで支配している
働きは外界から受け入れる聴覚、嗅覚、視覚など五感
事象を感受⇒認識⇒評価する感受機能、
呼吸(特に吸気(外から内部へ)、
飲食物を飲み込む働き、
知識の吸収、神経機能の正常化、動脈、静脈の調整etc
これらを司っているのがプラーナヴァータである

悪化による症状は、不眠、不安症、が幻覚、幻視、精神疾患、
五感の鈍化と異常、感覚の麻痺、気管支炎、喘息etc

考えられる治療法は
まず、脳の浄化としてSiroVasti,,またはSiroDhara、
オイルはBalaswagandha Tailam
後半、精神疾患で施されるTakra Dhara

次にHridaya Vasti,、
これは心疾患に主に施される治療法だが、悲しみを除去する事も目的にする
胸に強力粉で心臓周辺に土台を作り、その中に温かいオイルを入れ、
保持し、それを繰り返す

精神の不調は身体の硬直感からの影響もある
プラーナヴァータが支配している部位にElakizhiを施すことによって、
身体の硬直が解れ、プラーナヴァータの流れが良くなるはずだ
そして、ヴァータ安定させるSneha Vasti(油剤での浣腸)も、、

薬はAswagandhadhi Leyhem,, Brahmi Leyhemなどの
脳と精神に働くRasayanam製剤(不老長寿薬)

プラーナを運ぶSrotus(管)に作用する
Kalyanaka Ghritam,, Mahapaisacha Ghritam,,

アムリタと呼ばれる精神と身体の強壮薬Saraswarathi Aristha薬用酒

ガンジーがいつも噛んでいたSarpagandha(鎮静作用のある薬草)
Sarpagandha choornam などが適している

日本で入手可能なのはアーユルヴェーダではVacaと呼ばれる菖蒲の根
精神に作用する
これを煎じたり、薬膳としてスープに入れるのも良いと思われる
ただし毒性があるので量が課題

あとは、YOGAの呼吸法やクンダリニー、、
マントラを使う呼吸法も良いだろう

生活に簡単に取り入れられるのは
呼吸を安定させるアロマオイルで頭部や肩、胸部をマッサージ
これも効果が期待出来ると思われる

生活上の禁忌は
刺激性の食品
アルコールやカフェインの摂取
生理的欲求の抑圧
発酵食品
古い食品
冷性の飲食物
心を乱す環境や行動
気の合わない人との接触
律儀さ

以前、統合失調症を患っている卒業生の友人の治療に立ち会った
完治はしなかったけれど、日本に帰国後かかりつけ医師の診断で
薬が弱いものに変わり、数年ぶりに職場復帰する事が出来た
今、どう言う状況かは不明

Kerala Traditional Ayurveda Research Institute
(旧アーユルヴェーダ研究所GOLA)
アーユルヴェーダスクール Tantra(日暮里)
http://www.kerala-ayurveda.jp

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