6月25日 鉄道について
結論からいうと、都市部以外で廃線になることは無くなった。
というのも、カートレインの復活によって赤字路線が復興したからだ。
一次の人が操縦する車を輸送する電車は、単に「カートレイン」と呼ばれるが、自律走行車を輸送することを前提にサービスが始まった二次を「MotoRail」や「ACT」と呼称し、使い分けられている。
現在、カートレインは一部にしか残っておらず、一般の人が利用することは無く、その姿を見ることも無い。
なぜ復興できたかというと、MotoRailがその全てを担っていると言っても過言ではない。
自律走行車が移動手段の主流となっても移動速度や時刻の正確性に関しては、イマイチで、導入初期は事故が発生するとエラーが頻発し、多重事故を起こしたり、目的地とは違うところを目指したりしてしまうことがあった。事故に関しては解消されたが、移動速度や正確性はMotoRailが登場したことで自律走行車に於いては解決されなかった。
何十年も前から問題視されている温暖化も手伝ってMotoRailは急速に普及していった。
例えば、東京大阪間の場合は、自律走行車では6〜7時間を要するのに対し、紆余曲折ありながら完成したリニアのMotoRailを利用すれば一時間で移動することができる。
当初は、線路の幅(軌間)が異なるということで、お金が掛かったらしいが、現在では投資分を上回る利益が出ているらしい。一部の地域では、旧時代に廃線となったところを遊歩道などにしてしまったところは大層悔しがっているとのことだ。新たに鉄道を敷く計画があるとか、ないとか。そんな話も出てきている。
このシステムによって、島嶼を除き、時間的に日本が小さくなり、郷土料理やお祭りなどの旧時代で言うところの地方が着目されるようになった。
その影響もあり、指定野菜や指定産地という制度は実質上無くなり、伝統野菜や在来種と呼ばれる野菜やその地域でしか食べることができない海の幸・川の幸が宿場などで販売されたり、振る舞われたりしている。
それを目当てにして梨狩りに行ったことがあるが、持っていくのはハサミではなく、スプーンを持っていく。完熟以上と言えるような柔らかい洋梨で、食べた者にしか分からない芳しい甘みと文字通り口の中でとろける、あの味を知ってしまったらとても他所で食べようという気は起こらない。
他にも、今まで高価とされてきたメロンは、流通費が掛からなくなったため、高いものでも一玉2,000円程で購入することができる。物価は上がっていっているので、この値であり続けることはないが、旧時代と比べれば高値の華では無くなった。
そして何より、そういった地域で食べる本当の採れたてや本当の完熟は、その場に行かなければ口にできない。