6月28日 貿易について
結論からいうと、日本は貿易に余り噛まなくなった。
というのも、世界的な高速移動が主流となり、インバウンドが増加したことに加え、人口減少が大きな理由だ。
端的に言ってしまえば、観光立国になったのだ。
旧時代の終わり頃に文化庁が京都に移転し、そこから史跡や名勝などの文化的価値のある地域や施設に注力していった結果として、世界各地へと情報が伝播されていった。
中には、サブカルチャーを通して世界と繋がり『聖地』となったところも少なくない。
旧時代以前は、日本国外でアニメなどは放送終了し、VHS(?)やDVDになったものを買ったり、借りたりして観ることで知っていったらしい。
しかし、旧時代の終わり頃には、ネット配信サービスの普及によって、ほぼ同時期に放送を見ることができるようになった。今では、観ながら訪日し、グッズや原作は勿論のこと、抽選グッズやクレーンゲームでグッズ等を獲得する訪日観光客も増えているらしい。
それに合わせて、観光業界は『〇〇話で使用されたところ』『モデルとなった施設』などの説明をしながら聖地巡礼することのできる自律走行車を用意し、人気を博している。結果として、三ヶ月で放送していたものを連日放送し、それに合わせて巡礼するというモノまで現れてきている。
作品の季節に合わせて巡るというのが鉄板らしく、一部の道路や地域では、制限が掛けられており、予約が何年も先まで埋まっている作品の聖地巡礼も珍しくない。
こうしたことがあり、オンラインで先に輸出をし、オフラインで来てもらい、オフラインで輸出をしてもらうということがアニメ産業をはじめとする色々な業界で主流になりつつある。
また、人口減少によって、どのようなものであっても生産することが難しくなってきている。
農産物や工芸品だけでなく、前述の作品でも同様に、人では圧倒的に足りていない。結果的に、少量のものに価値を付け販売している。そのため、日本国内に来なければ手に入らないものはかなり増えた。
『自国で似たようなもの買えるから問題ない』と思っていたけれど、いざ日本に来てみたら『Qualityが違う』ということで爆買いをしていく人もかなり多い。
そのため、Animateやコミケ会場など爆買いが予想されるところには、大手の運輸会社が国外輸送の手続きカウンターを設けている。
ある意味、消費者が消費者のために輸出していると言えるのかもしれない。