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秋まき小麦の有機栽培技術について

「有機栽培で小麦は無理でしょ。」
「除草剤無しでは草だらけになっちゃうよ。」
「防除しないと赤カビ病で全滅しちゃうよ。」

 というのが、常識でした。

有機栽培で野菜や豆を作ってい人の中でも、小麦はできないという経験や認識が一般的。

ところが、最近、有機栽培小麦の作付けが増えてきました。

実際に有機栽培で秋まき小麦を作っている人の感想は

「草取りも、防除も何もしないので作業がラク。」
「他の作物の作業に集中できるので輪作の1品目として良い。」
「収量は慣行よりは劣るけど、天候の影響を受けにくく収量・品質・売上が安定している。」
「一切防除もしないのに、赤カビ病が出ない。」
「経費がかからないので収益性もある。」
といった声が多いです。

秋まき小麦の栽培のポイントは

★小麦播種前に、ロータリーを使用して、表層10㎝以内を浅く・粗く、数回鋤き込み、雑草種子を減らす。
★8月下旬から9月上旬に播種量10㎏/反まく。
★雪が多い地帯は、3月に融雪効果も狙って雪上から鶏糞100㎏/反をまく。
★4月の起生期に、鶏糞100㎏/反を追加でまく。
★防除には入らない!有機で使用できる葉面散布資材をまくためにスプレイヤーで圃場に入ると病気が拡散するのでやらない。
★成熟まで放置、あとは収穫だけ!

という、信じられないほど簡単です。

これを裏付ける研究結果が北海道立総合研究機構の中央農業試験場より発表されました。

成果のポイントは

★無防除でも赤カビ病発生・DON濃度のどちらもほとんど発生していない。
★播種期は8月下旬で越冬性が高く、9月中旬は収量が高い。
★播種量は10~13㎏/反。8月下旬播きでは13㎏/反で増収が期待できる。
★追肥としては鶏糞200㎏/反(窒素量8㎏/反)を標準、地力が低い場合は+100㎏/反。
★シロクローバーを小麦と同時播種で雑草の抑制効果が高い。

公的機関でも有機栽培の研究が増えてきています。

こういった結果が増えると、有機栽培に取り組みやすくなるので期待したいです。
これまでの有機栽培小麦の技術も見直して、よりよい技術に改善もできます。

防除しなくても病気が出ない結果が出てしまうと、慣行栽培の防除指導はどうなるのか・・・

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