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書籍"LTVの罠"レビュー:企業目線から顧客目線への視点転換

企業のマーケティング戦略として、企業の顧客一人当たりの生涯価値(LTV)を最大化することは一見、合理的な目標に思えます。
しかし、株式会社Wakaruの代表、垣内氏による書籍"LTVの罠"では、この考え方自体が誤りであることが指摘されています。
■LTV(ライフタイムバリュー)の罠 (垣内 勇威 (著))

この罠とは、企業が自社の利益を最大化するためのLTV最大化に偏重し、顧客視点でのLTVが見落とされてしまっているという問題です。つまり、企業が提供する価値が顧客にとってどの程度重要であるかという観点が欠けているのです。

音声でも紹介しています!


妄想四天王:よくある失敗施策

柿内氏は、企業がよく行うLTV最大化の失敗施策を妄想四天王と名付け、具体的な事例を紹介しています。

  1. 会員プログラム:顧客に会員になることでポイントを提供し、リピート購入を促す。

  2. 会員アプリ:企業独自のアプリを顧客にインストールさせ、接点を増やす。

  3. サブスクリプション:定期購入を推奨し、顧客の購入頻度を高める。

  4. 自社メディア:自社独自のメディアを立ち上げ、顧客との接点を持つ。

しかし、これらの施策は、顧客にとってのメリットが不明確であったり、普段の生活に馴染まない場合が多く、結果としてLTVの最大化につながらないことが多いです。

たとえば、柿内氏自身が最近購入した洗濯機の購入体験を例に挙げています。高額商品の購入に際して、店舗の会員アプリへの登録や、クレジットカードの発行を推奨されました。しかし、これらのサービスが提供する価値が見えず、最終的にはアプリは削除し、クレジットカードも財布に入れることなく放置されてしまいました。

この例からもわかるように、企業のLTV最大化施策は顧客のニーズを満たしていないと結果を出せないのです。

MASTフレームワーク:成功の秘訣

では、どのようにすればこれらの失敗から脱却できるのでしょうか。柿内氏は「MASTフレームワーク」を提案しています。

  • M(Meet):顧客に出会うまでの障壁を下げる。

  • A(Attract):顧客が商品やサービスの魅力を感じることができるようにする。

  • S(Sense):顧客が抱える課題を感じ取り、対応策を持つ。

  • T(Trade):適切なタイミングで営業をかけ、売上を上げる。

4つの観点でのフレームワークのうち「Meet」によるLTV最大化

このフレームワーク(MAST)は、妄想視点の施策に陥ることなくLTVを最大化するための方法を提示してくれます。本記事では、その中でも特に「ミート(Meet)」の観点に焦点を当て、自分が運営する「Metagri研究所」のコミュニティにおける具体的な活動を例に解説します。

このコミュニティでは、Web3をテーマにしたコミュニティを運営していますが、共感してくれる人々との接点を増やすことが求められています。そこで、この接点を増やすための方策や、主な活動ツールである「Discord」以外でのコミュニケーション手段を考えました。

メルマガでのコミュニケーション手段確立

メルマガは使えるツールの一つです。メルマガの読者を獲得し、それを通じて接点を増やす方法が重要になってきます。具体的な例として、本書ではHondaの「フィット」をプレゼントしてメールアドレスのリストを集めるキャンペーンを紹介しています。

同様に、Metagri研究所のコミュニティにおきかえて、高額な農産物であるマンゴーやシャインマスカットのプレゼントは、親和性をあまり感じません。そこで、私たちが提供できるサービスを活用する方法を考えました。Metagri研究所では、セミナーの無料チケットや会員証NFTのをプレゼントすることで、関心がある人を引き寄せるのが一案です。

まとめ

このように、「Meet」の観点は、Metagri研究所が提供する商品やサービスに興味を持つ人々を引き寄せ、連絡手段を確立することで、持続可能な成長につながると考えています。

これらの施策を活用して、実際に試行錯誤しながら成果を上げていきたいと思います。本書には、新たな視点でマーケティングを考えるきっかけがあり、施策について再考するための有益な情報が満載です。ぜひ一度手に取ってみてください。

■LTV(ライフタイムバリュー)の罠 (垣内 勇威 (著))

今回も最後までお読みいただきありがとうございます。

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