見出し画像

痛みの定義について

おはようございます。
本日も臨床BATONへお越し頂き、ありがとうございます。
386日目を担当する理学療法士のジュニアです。


★はじめに

今回痛みの定義について再考しようと考えたのは、今までは侵害的な刺激によって痛みが出現することがメインとなり、どこから痛みが出てるのかを評価してアプローチしてきました。
しかし、多くが痛みの消失には繋がらず臨床上で苦労したことが多くありました。
そこから抹消からの刺激のみでなく脳からのアウトプットによって痛みが表出されることを考えられるようになりました。
そして、痛みの定義が改訂されたことでより自分の考えを深めきっかけとなったたともに改めて脳の機能についてや侵害刺激についてなどを勉強することで少しずつ痛みを理解できるようになってきました。

なので、今回はまず新しく改訂された痛みについて自分なりの考えをまとめてみました。

★痛みの定義

「実際の組織損傷もしくは潜在的な組織損傷に伴う、あるいはそのような損傷の際の不快な感覚かつ感情体験」

1979年痛みの定義

上記は改訂前の痛みの定義です。下記が新しく改訂された痛みの定義となります。

「実際の組織損傷もしくは組織損傷が起こりうる状態に付随する、 あるいはそれに似た、感覚かつ情動の不快な体験」

付記
l 痛みは常に個人的な経験であり、生物学的、心理的、社会的要因によって様々な程度で影響を受けます。

l 痛みと侵害受容は異なる現象です。 感覚ニューロンの活動だけから痛みの存在を推測することはできません。

l 個人は人生での経験を通じて、痛みの概念を学びます。

l 痛みを経験しているという人の訴えは重んじられるべきです。

l 痛みは,通常,適応的な役割を果たしますが,その一方で,身体機能や社会的および心理的な健康に悪影響を及ぼすこともあります。

l 言葉による表出は、痛みを表すいくつかの行動の1つにすぎません。コミュニケーションが不可能であることは,ヒトあるいはヒト以外の動物が痛みを経験している可能性を否定するものではありません。

痛みの定義 2020 日本語訳(日本疼痛学会 2020.7.25)

ここから先は

2,595字 / 2画像
この記事のみ ¥ 200
期間限定!PayPayで支払うと抽選でお得

この記事が気に入ったらチップで応援してみませんか?