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作業活動を脳機能から考える!  ~ペグボードを使用したアプローチの検討~

皆さん、おはようございます!
本日も臨床BATONにお越しいただき、ありがとうございます✨
臨床BATON 150日目を担当させていただく作業療法士の『よっしー』です。


僕は回復期病棟に勤務しており、脳血管障害の患者様や認知症を呈した運動器疾患の患者様を主に担当しています。

本日のブログでは、高次脳機能障害を呈した患者様との関わりから作業活動のあり方を検討することを目的に、テーマを選定してみました!


皆さん(特にOTの皆さん)は、作業活動をアプローチの手段として選択される際、どのような目的で物品を選定されていますか?
そして、物品を使用する際に課題をどのような視点から選択されていますか?


今回、僕が担当している高次脳機能障害を呈した患者様に使用している『ペグボード』について、どのような視点で介入手段として実施しているのかを呈示します✨

皆さんの日々の臨床場面でも作業活動について考えるきっかけや引き出しになると幸いです😆
是非、PT・STの皆さんにも認知症や高次脳機能障害の患者様へのアプローチの視点になってもらえたらと思います👍


☆ペグボードとは

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前回のブログで紹介した『アクリルコーン』と同様に、『ペグボード』もほとんどの作業療法室で見掛ける機会が多い道具の1つだと思います。
※前回のブログ(アクリルコーン):https://note.com/nougeblog/n/n7073766704c6

『ペグボード』とは
円柱や四角柱などの型をしたペグ(積み木のようなもの)を穴の空いた板(ボード)に入れていく道具の名称です。

『ペグボード』には多種多様な種類があり、型だけでも大きさの異なる円柱や四角柱、金属製の細長いピンなどがあります。
そして、色の工夫もされており、両端が色分けされているペグや数種類に色分けされたペグなどもあります。


当院では6種類の『ペグボード』を購入しており、OTだけでなくSTも作業活動として使用しています。

<OTの使用例>
運動麻痺を呈した患者様のつまみ動作練習、記憶障害・ワーキングメモリー(作業記憶)の低下・視空間失認・構成障害の改善
<STの使用例>
半側空間無視に対する左視空間への改善や構成課題として使用

僕は『ペグボード』を使用する時、問題点の改善や脳機能の観点を意識しながら、物品の選定を行っています。

『ペグボード』の物品特性や脳機能への観点を考えることで、作業活動がアプローチとして活きてきます!


☆ペグボードの物品特性とADLとの関連性とは

僕は『ペグボード』を片麻痺患者様や高次脳機能障害を呈した患者様のアプローチとして使用することが多いです。


『ペグボード』を用いて介入する時、
①使用用途 ②物品特性の2つの視点を意識した中で、物品選定をします!

★『ペグボード』の使用用途
・腕全体の動作や指先の巧緻動作練習
・色の置き換え練習
・視覚―運動の協調能力を高める
・見本どおりに並べる練習
(引用:酒井医療株式会社 総合カタログ2020 p61・p230)

『ペグボード』の使用用途から
『上肢活動を必要とする運動機能面』と『脳機能を介する高次脳機能面』
を目的とした介入が可能となります。

これらの視点から『ペグボード』を臨床に落とし込むことについて紐解いていきます!!

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