滋賀県長浜市、琵琶湖の最北端にある賤ヶ岳という山の麓に居を構えるお店です。 季節ごとの発酵食品と、書籍の出版(能美舎)をしています。 https://kyuhou.jp
自然と神々と暮らした人びとの民具 小原かご
ひとつひとつ丁寧に編み込まれた造形。 使うほどに光沢を増す木かご。 一度手にすれば一生を共にできるという。 この丈夫で美しいかごはどこで生まれたのか。 滋賀・福井県境、淀川源流の碑が建つ奥丹生谷という地域に、かつて七つの村があった。山越えにやってきた木地師たちが住み着いてできたと伝わる村々は、高度経済成長による製炭業の衰退化や、ダム建設計画により1995年までに地図から消えていった。 美しい木かごは、地図から消えた村の人々によって編まれていた。 奥丹生谷の人々は、山桜が咲く頃に麻の種をまき、夏は山桑で蚕を育て、炭を焼き、豪雪に備えてあらゆる山の恵みを蓄え、神々に平穏を祈り暮らした。買うものは釣針などのわずかな鉄製品と塩だけ。そんな暮らしの中で作られた『小原かご』は、カエデなどの広葉樹を材とした美しさと丈夫さが評判を呼び、北國街道を行き交う人々によって広域で流通していた。 本書では『小原かご』について、材料の採取から編み方までを解説。衣食住すべてを作り出す山の暮らしについて、かつての村人の語りや当時の写真と共に伝えている。 文化資源学を研究する著者は、現代で唯一となった小原かご伝承者に師事し、かご編みの技術を習得。ひとり、山へ入り材となるイタヤカエデを切り出し、かごづくり教室を開く。技術の継承者を増やそうと取り組む中で、「かごづくりが続いても、かごが使われていた暮らしの背景を知らずに続くことは『民具の伝承』と言えるのか」という疑問にぶつかる。師の語りに耳を傾け、かつての暮らしを聞き取りながら「民具の伝承とは、技術を継承することだけではなく、そのものが生まれた土地の景色や使われていた暮らしの背景を共に記録し伝えていくことである」という本質に気づく。本書はその実践的アプローチである。
1,980円
サバイブユートピア vol.2 田舎に移住したオンナたちの日常
「サバイブユートピア」とは、琵琶湖の最北端、旧伊香郡を拠点に活動する移住者のオンナ8人が企画編集するZINE。 「ユートピア(田舎)に移住したオンナたちのサバイブ(日常)」というテーマで、田舎での日々の幸せや葛藤をありのままにぶつけた暮らしの読み物です。 今号のテーマはずばり「嫁」!実は、移住者の多くはヨメではないのか。隣のアノ人も、あちらのアノ人だってヨソモノだ。「嫁もまた移住者である」。 そんな気づきをきっかけに、心からのリスペクトを込めて企画。 その他、「家族」をテーマに撮り続ける写真家浅井千穂の10周年を讃える巻頭グラビア、出産を経験したメンバーらが語り合う「お産座談会」、イラストルポライターによる湖国のイラスト歳時記、観音ガールによる「かわそ信仰」の新考察、出産を控えたヨガ講師が自らの身体を慈しみながら伝えるマタニティヨガ、人々の暮らしの道具を愛する日用品店店主が継承しようとしている小原かごのこと、限界集落に移住した元新聞記者が綴る暮らしのエッセイ、小さな出版社が惚れ込むちいさなふるい私設図書館にまつわるお話。 20代~40代へと移っていく編集部員の暮らしの変化や思想がありありと反映された「交換日記」のようでもある。10年後振り返れば、夜中に書いたラブレターのようなものかもしれない。でも、その瞬間の情熱が込められた一冊。ようこそ、私たちのユートピアへ。
1,100円
サバイブユートピア 創刊号
琵琶湖最北端のいわゆる”田舎”に移住し、たまたま出会った8人の女がそれぞれの日常を綴る。田舎暮らしを彩るイラスト歳時記、職人の手仕事、村の人々の信仰、限界集落の生活、創立115年の私立図書館など、多様な8テーマを掲載。創刊記念座談会では、ユートピア(田舎)をサバイブ(日常)する女たちの本音を収録。思い描いた世界とは違っても、女たちはこのユートピアをカラフルにたくましく生き抜いていく。琵琶湖のほとりに芽生えたシスターフッドから生まれたZINE。ようこそ、私たちのユートピアへ。 ■イカハッチンプロダクション ( 企画・発行) イカハッチンプロダクションとは、2021年、滋賀県長浜市「旧・伊香」地域に生きる8人のメンバーが立ち上げたプロダクションです。 松浦すみれ(ルポ&イラストレーター) ワタナベユカリ(株式会社仕立屋と職人 代表取締役) MUTSUMI(ヨガ講師) 堀江昌史(出版社能美舎/丘峰喫茶店) 對馬佳菜子(合同会社nagori 代表社員/観音ガール) 浅井千穂(浅井千穂写真事務所) 荒井恵梨子(コマイテイ店主/合同会社kei-fu代表) 船崎桜(長浜市地域おこし協力隊/ライター) ※順不同
1,100円
希望を握りしめてー阪神淡路大震災から25年を語りあうー
1995年1月17日に起きた阪神淡路大震災発生から四半世紀が過ぎた。 NPO法人「よろず相談室」は、震災発生の9日後から今日に至るまで、一人暮らしの高齢者宅への訪問や震災で障害を負った人たちへの支援などを続けてきた。25年の間に亡くなる人も多くいる中で、被災者たちが経験した震災を記憶に残すため、5年前から彼らの証言を記録してきた。震災から共にあゆみ、耳を傾け続けたメンバーに打ち明ける、震災前の人生と震災後のそれぞれの足どり。家族の死、自宅の全壊、失職、災害による後遺症、コミュニティの崩壊、復興住宅で起きる孤独死……。あの日から25年を生きる18世帯26人の人生をまとめた貴重な証言記録。 震災から四半世紀という月日を経た彼らの声は、発災直後の悲しみや喪失感に満ちたものではない。いつもの世間話のようなやり取りの中で、自分の人生を見つめるように、時に深刻すぎると思える話も、淡々と語る。その穏やかな語りの中にも、悲しみは常にある。一方で、絶望を生き抜いてきた人のたくましい一面や、今後もこの悲しみは続いていくという厳しい運命を受け止めた覚悟のようなもの、震災が人々の心や生活に与える衝撃と、希望を感じ取って頂ければ、幸いである。 「よろず相談室」の活動記録や、西宮市出身の作家高村薫による寄稿文も掲載する。 「地方の時代」映像祭入選作品の証言映像を収録したDVDを付録。 あの日から25年を多角的に記録する歴史的資料。 全国の災害に遭った人たちや、今後起こりうる災害で被災者となる人たち・支援者・行政に、阪神の経験を伝えたい。 <図書館の皆様へ DVDの館外貸し出し可能です。よろしくお願いいたします。>
2,750円
スマホで見る阪神淡路大震災 災害映像がつむぐ未来への教訓
QRコードで見る映像357。震度7の震災アーカイブ。阪神淡路大震災は、今後発生が危惧される「首都直下地震」や「上町断層地震」、さらに数多の大災害の前例になりえる災害である。記憶が「風化」しても、この映像から神戸、淡路島で起こったことをつぶさに反省し、教訓を拾い上げておけば、次の災害で活かすことができる。 著者略歴 木戸/崇之 1972年京都市生まれ。1995年に朝日放送に入社後、報道記者としてさまざまな災害現場を取材する。2014年から1年半「阪神・淡路大震災記念 人と防災未来センター」に研修派遣。同時期に関西大学大学院社会安全研究科でも災害情報の伝達に関する研究を行う。その成果となる「災害情報のエリア限定強制表示」を2017年、国内の放送局で初めて導入。2019年の「電波の日」近畿総合通信局長表彰を受けた。現在、朝の情報番組「おはよう朝日です」で気象情報デスクなどを務める他、「人と防災未来センター」のリサーチフェローとしても活動する 発行・西日本出版社
1,650円
スワンの複製切り絵つき!!「白鳥になった王子」
全国で活躍する新進気鋭の切り絵作家・早川鉄兵の作品を初の書籍化。豊かな自然と野生動物の生き生きとした姿をユーモア溢れる構図で切り取る早川の作品は、全ての世代の心に響く。物語は日本書記を題材にした作家のオリジナルストーリー。「ある国の王子は、神さまに決闘を挑もうと山へ向かうが、先々で出会う動物たちに思い留まるよう説得される。聞く耳を持たない王子は…」。シカやキツネ、クマなど次々に登場する動物たちの姿がとても繊細且つ愛らしく、子どもも大人も何度でも繰り返し開きたくなるとっておきの絵本。 こちらは、早川氏の切り絵「白鳥」をレーザーカット加工で製作した複製品が付録として付いてきます。
3,300円