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運動失調の症状!!

お疲れ様です。脳リハです。

本日は、失調症状についてお伝えします。

運動失調とは??

運動失調とは…

運動麻痺(筋力低下)はないもしくは軽症で、動作や姿勢保持などの協調運動に起きる障害」と定義されています。

図のように…

感覚情報の入力(末梢感覚器)
⬇︎
脊髄/大脳皮質などの中枢神経系への求心路
⬇︎
その情報を小脳/大脳基底核で処理
⬇︎
処理した情報をもとに大脳運動野から抹消/筋までの遠心路

の流れをたどります。

これらのどの部分に障害が生じても、臨床的な運動失調は生じるとされています。

3つの運動失調

運動失調は責任病巣の違いにより…

▶︎ 小脳性運動失調
▶︎ 感覚性運動失調
▶︎ 前庭性運動失調

の3つに分けることが出来ます。

小脳性運動失調

小脳は発生学的/形態学的に…

☑︎ 小脳半球
☑︎ 上部虫部
☑︎ 下部虫部
☑︎ 片葉小節

に分けられ、それぞれ症状が異なります。

① 小脳半球

主な症状を以下にまとめる。

☑︎ 上肢/下肢の協調運動
→ 四肢の測定障害/指鼻指試験でのゆらゆらという揺れ(decom- position)
☑︎ 拙劣な反復拮抗運動
☑︎ 筋トーヌスの低下

これらにより、

○患側方向への偏倚歩行
○協調運動障害
○運動の分解(decomposi- tion)
○運動測定障害
○跳ね返り現象
○小脳性言語(断続性,爆発性)

が出現する。
② 上部虫部
 
障害を受けると、両足を広げて歩くwide- based gaitとなる。

※つぎ足歩行(tandem gait)が困難になる。
③ 下部虫部

体幹運動の協調や平行機能と関連し、立位をとると身体が前後上下に揺れる。
→ 歩行は酩酊様の歩容を示す。
④ 片葉小節

前庭系を通じて眼球運動の協調に関与し、一定方向を向く前庭性眼振/滑動性眼球運動の障害/衝動性眼球運動(saccadic eye movement)を呈する。

感覚性運動失調

小脳機能の障害以外として…

脊髄後索や末梢神経障害による深部/固有感覚の強い障害による脊髄性運動失調

があります。

平衡感覚は、末梢からの位置覚/関節角度など、深部感覚が脊髄後根から脊髄後索を経由して小脳/前庭に上行します。

この経路が障害されると歩行が不安定になります。

この場合には、視覚で平行を保つので閉眼して視覚入力を遮断すると、平行を失って倒れそうになります(romberg徴候)

歩行は小脳性運動失調とは異なり、膝を必要以上に高く上げる踵打歩行になります。

踵打歩行は、障害された深部感覚をできる限り利用しようとする要素と、深部感覚障害の為、足をどのくらい上げれば良いか、どのくらいで地面に到達するのか、適切な判断ができない為、生じると考えられます。

前庭性運動失調

前庭器官の抹消受容体は三半規管で、ここからの求心系は前庭神経核を介して、小脳片葉/小節に入力されます。
 
この経路のどの部位が障害されても、前庭性運動失調が生じます。
 
小脳失調との区別が容易でない場合がありますが、明らかな回転性目眩/耳鳴り難聴/姿勢性眼振/回旋性眼振を伴う場合は前庭性の場合が多いです。
 
歩行時は、片側へのふらつきを認めて、失調症状は偏倚(歩行時の片側へのふらつき)が見られます。

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