新大学生は塾講師をしない方がいい

どうも、のっちゃんです。

私は大学生の時、様々なアルバイトを経験しました。飲食店のホールやキッチン、イベントスタッフ、塾講師、家庭教師など様々です。

そこから得た結論が、「大学生は塾講師をするな」ということです。

おそらくほとんどの方が「何を言っているんだ」と思われたでしょう。
ただ、もう少しだけ読んでいただきたいです。

アルバイトでおそらく一番気になるのは給料だと思います。特に塾講師や家庭教師は単価が高いですし、自分の勉強経験を活かすことができると考えてるでしょう。

しかし塾講師をする上で無視できない現実と、私個人がオススメするアルバイトを記載します。ぜひ新大学生の方々はご参考にしてください。


塾講師の現実

1. 塾講師と生徒のミスマッチ

多くの塾で現在起きている現象が、「生徒の方が講師より偏差値が高い」ということです。特に個別指導塾で起きがちですね。

個別指導塾は集団指導塾と比べて講師の数を確保しなければならないことから、偏差値の低い大学の学生でも採用する傾向があります。採用時には本当に最低限の学力があるかだけをチェックし、入社後は塾内のマニュアルに沿って指導させることで一定の質を担保させるわけですね。
このような構造になっていることから、講師によって指導可能科目の偏りが顕著になります。私は数校の塾を渡り歩きましたが、どこでも決まって起きていたのは「中学生レベルの数学、高校生レベルの英語、中学生レベルの理科」を担当できる講師の圧倒的不足です。

また指導可能科目だったとしても、場合によっては生徒を担当できないケースもあります。それが「自分よりも圧倒的に頭の良い学校に通っている/志望している生徒」のケースですね。これはどちらかと言えば補習塾に多いです。
塾講師界では、生徒が講師よりも良い大学に行くことが頻発します。そうなると自分の教えられる範囲では対応することができず、どこかのタイミングで指導不可能になってしまうわけです。

このように、講師の能力と生徒の要望でミスマッチが生じることがよくあります。そのためどれだけ手塩に掛けていた生徒でも、どこかのタイミングで対応できなくなるということは往々にして起き得るわけです。

2. 塾講師に学力はいらない

よくアルバイトで塾講師をしていると言うと、友人に「頭いいんだね」と言われます。
しかし実情を知っている側からすると、塾講師に学力は全くと言っていいほど不要だと思えます。

塾講師は殆ど人気商売です。それこそ集団指導塾でも「◯◯先生の授業は聞くけど、××先生の授業は聞いてない」みたいな現象はよくあります。
しかし個別指導塾はより顕著です。生徒側からスタッフに対して「◯◯先生の指導を継続して貰えないなら退塾する」と言っている現場を、私はよく目撃していました。また他にも「◯◯先生がイケメン(可愛い)から、この先生がいる日だけ塾に行く」みたいな生徒も多いですね。

私見ですが、今の塾は半ばキャバクラやホストのような要素を孕んでいるように思われます。生徒の感情を逆撫でせず、口八丁で生徒のツボを刺激して机に向かわせる、というのが現場から見た塾講師の内情です。

そのため正直に言えば、学力という要素は塾講師の能力を図る指数として正しくないです。塾講師に求められているのは大きく「説明力」と「察知力」の2つです。
「説明力」は簡単に申し上げると、「相手がどのポイントで躓いているか察知し、相手の理解力に合わせて事象を言語化する」力です。大抵の生徒は教科書や問題集の解答を読んでも、その意味を理解できないことが殆どです。そこで「解答をより抽象化/具体化して相手の理解可能な語彙で説明する」という能力が非常に求められるわけです。
「察知力」は、一言で言えば「相手がどんな言葉を求めているのか、あるいは自分の説明で理解できているかを察する」力です。講師としてはなるべく生徒に「この先生の授業には価値がある」と思ってもらわなければ、継続は難しいです。そのため生徒の心情や理解度をある程度察知する力が求められます。

とは言えこの2つの力は経験で身につくものなので、入社時にあまり気にする必要はありません。ただここで抑えていただきたいのは、「学力が高い人が塾講師になっている」というわけではない、ということです。「受験経験を活かしたい」「自分の学力を活かしたい」という理由で塾講師になると、このギャップに苦しむかもしれません。

3. 塾講師はそもそもコスパが悪い

前述した通り、塾講師を選ぶ大学生が多い一番の理由は時給でしょう。
大手の塾であれば1500円前後、私のように給料交渉をして他塾に移籍した場合、1授業で2500円ということもあり得ます。

確かに額だけを見ればコスパが良さそうに見えます。しかし実はこれ「コマ給」であって「時給」ではないです。
大抵の塾は授業時間50~80分に加え準備時間が10分程度取られています。そのため最大値で言えば、1コマ=90分ということもあり得るわけです。
例えば平均的な塾であれば1コマ80分で1500円あたりが相場でしょう(この記事を書きながら大手の採用情報を調べましたが、概ね1500円前後でした)。時給換算すると1125円なので、その辺の居酒屋バイトとあまり変わりませんね。

もう1つ塾講師の最大のデメリットとも呼べる点が、営業時間の短さです。地域にもよりますが、大抵の場合18歳未満の学生は深夜徘徊が条例で制限されています。そのため大手塾の殆どが22時頃に閉質します。しかし顧客である学生は15時〜16時まで授業があるため、最速でも授業が開始できるのは17時頃と言ったところです。よってアルバイトの塾講師がお金を稼げるのはこの5時間だけということです。加えて塾は完全にコマで給料が決定するため、先程の例で言えば実施できるコマ数は最大でも3つしかありません。

そのため平均的な塾の場合、1日最大でも4500円程度しか稼げない計算になります。これは実家暮らしの大学生であれば週3程度の出勤でお小遣い程度にはなりますが、一人暮らしにとってはやや物足りない額です。実際は大学の授業やサークル活動、就職活動などで出勤回数は増減するため、塾講師だけで生活費を稼ぐのはかなり難しいです。

つまり塾講師は「飲食店とそこまで変わらない時給」でありながら「コマという制度によって1日に稼げる額が飲食より低い」という性質を持っているわけです。私的にはややコスパが悪いように思えます。

個人的にオススメなアルバイト

とはいえ、ある程度炎上顧客が少なく、冷房が効いた教室でアルバイトができるという点で塾講師は魅力的です。スーツ必須な校舎も多いですが、それでも一般的なアルバイトより入社に対する心理的ハードルが低いというのは頷けます。

そこで、同じような条件で私的にオススメするアルバイトを3つほど挙げておきます。

1. 企業の長期・有給インターンシップ

いきなりインターンシップを挙げるのはどうなんだ、という意見もあるかもしれませんが、それはご容赦ください。
現代の新卒就活はインターンからの採用が活発化していますし、インターン経由でなくともガクチカなど学生の自主的な活動が推奨されているのは事実です。
そこで企業の長期・有給インターンシップが非常にオススメです。アルバイトと比べても責任範囲が広いのでガクチカの深みも出ますし、同じような熱量の交友関係を作りやすいのも旨味です。

実際私もとあるベンチャー企業のインターンシップに参加していましたが、そこにいた学生の殆どはGAFAMや某有名大手外資コンサル、メガバンクなど、就活生なら誰もが羨む企業に複数人内定者を輩出していました。そこで知り合った先輩方や同期にアドバイスをもらったり、リファラル採用を紹介してもらえるなど、圧倒的なアドバンテージがインターンシップには眠っています。

それに企業のインターンシップは責任範囲が広いのでガクチカ作りに最適です。例えば塾講師は授業しか担当しませんし、個人商店化しやすいため講師間の情報交換が活発ではありません。そのためガクチカ作りや就活の情報収集という観点で言えば、塾講師はかなり不利な環境と言わざるを得ません。しかしインターンシップは大抵の場合自分で立案から実行までを経験でき、かつ一定人数でのチームアップを行うことが殆どです。そのため面接で話すエピソードに深みを持たせることができ、かつ情報交換もしやすい、というわけです。

ちなみに私が個人的にオススメする長期インターンシップは、営業系よりも企画・マーケティング・コンサル系のインターンシップですね。営業はプロダクトが既にに存在するケースが殆どですし、取り扱っているプロダクトもある程度コモディタイズされています。(余談ですが、一時期「携帯キャリアコンサルタント」という名目で携帯キャリアの乗り換えを営業するインターンが問題になりました。個人的には携帯キャリアという、かなりコモディタイズされたプロダクトにコンサルの余地はないと思うのですが……)
話を戻します。プロダクトや施策をある程度学生側が提案できる後者のインターンシップであれば、かなりガクチカ作りに強いと思いますよ。あと給料も時給1300円前後と、普通に高いです。総合的に見て、かなりお得だと思います。

2. 家庭教師

もし勉強に携わるアルバイトがしたい場合は、塾講師よりも家庭教師の方が圧倒的にオススメです。
時給が高いのも勿論ですが、塾講師と違って自由度が高いことが最大の魅力です。服装もスーツ指定でない場合が多いですし、日程調整も個人間で行えるため自由が効きやすいです。反面生徒側から日程変更をされるケースもあるので一長一短ですが。

もう一つの利点は、やはり塾講師と違ってガクチカ作りには向いているということです。塾講師と違ってカリキュラム作りから実際の授業実施、生徒から成績という形でフィードバックを受ける、という手順を一人で担うため、ガクチカに深みを出しやすいというメリットがあります。反面同期という存在が無いため、情報収集にはやや苦労するというデメリットもありますが。

余談ですが、生徒の保護者に気に入られることができればかなり厚遇してもらえます。私自身も家庭教師をしている頃はよく夕飯をご馳走になりましたし、お酒も頂きました。あとこれは家庭教師界隈あるあるですが、本当に「うちの娘をもらって欲しい」が存在します(それも複数事例)。私の場合はちょっとリスクの方が大きいと判断して上手く濁していましたが、それをメリットと捉える方なら案外天職かもしれませんね。

3. 個人でクラウドソーシングサービスを活用する

はい、これもアルバイトではありません。
と言うか、アルバイトってどれもこれも一長一短なんですよね。ぶっちゃけ趣味をアルバイトにしたい人はイベントスタッフや販売員をしてもいいですし、なんとなくかっこいいからスタバ店員、みたいなのもアリです(個人的にはスタバ店員とかはやってみたかったですね)。

しかしクラウドソーシングサービスは、どの形態のアルバイトをしている人にとっても活用するメリットが大きいので紹介させてください。

クラウドソーシングサービスとは、簡単に言えばweb上で依頼されている仕事に応募し、それを達成することで報酬を得るサービスです。代表例だとCoconalaやクラウドワークス、ランサーズあたりがわかりやすいでしょうか。

このクラウドソーシングサービス、学生の多くは「そんな特別なスキルなんて持ってない」と思うかもしれません。しかし実際に依頼を見てみると、そこまで特別なスキルを必要としない依頼も多いです。
例えば「youtubeのある動画を参考にして、◯◯という動画の台本を作ってほしい」というものや、「音声データを送るから文字起こししてほしい」というものがよくある依頼ですね。他にも珍しいもので言えば「◯◯大学の過去問の解説をしてほしい」や「英会話レッスン」、果てには「◯◯社に提出するESの添削をして欲しい」といったニッチなものまであります。

ただ一点注意なのが、クラウドソーシングサービスは雑所得に当たるため確定申告が必要です。雑所得は金額が20万円以下ならば確定申告が不要ですが、それを超過する場合は確定申告が必要であるということは、必ず知っておきましょう。また雑所得が20万円以上でも、年100万円以上の収入がある場合は住民税申告が必要です。もし不安な場合は、必ず専門家に相談してください。
(参考情報源)


まとめ

ということで、いかがだったでしょうか。
塾講師のアルバイトは勿論労働環境が良い、給料も比較的高い、教師志望の学生にとっては実務に近い経験を得られる、などのメリットもあります。
しかし一方で上記のようなデメリットもあるので、アルバイトを選ぶ際は両方を知った上で判断してください。

また私のオススメするアルバイトについても、ご参考になれば幸いです。


いいなと思ったら応援しよう!