No.4 最古の被告人 アメンパヌファ
今から4000年前の古代エジプトの話。エジプト人もう3人目ですね。アメンパヌファは採掘場で働く石工でした。彼は7人の仲間とともに、あの「ツタンカーメン」が完璧な状態で見つかったとされる「王家の谷」で次々と墓を荒らしまくった人物として裁判記録に残っています。なぜ墓を荒らすのか。それは王のミイラとともに金品が埋葬されているからです。当時は、墓荒らしをしたものは死刑だったのですが実はまあまあの数の人が墓荒らしをしていたそうです。
王が変わって職人の給料が払われなくなってから盗賊が増えました。アメンパヌファは以前から盗むことが癖になったと供述しており、ひたすら墓荒らしをしていたそう。墓を監視する役人がいましたが、盗掘した一部をもらう代わりに犯行を見逃したりしてました。いわゆる賄賂ですね。そんな役人とのズブズブの関係がありながらなぜアメンパヌファは逮捕されたのか。それはファラオが作った王立委員会という盗掘を調査するグループを立ち上げたからです。どうやって調査したんやろか。
アメンパヌファはその後、拷問にかけられ罪を認めるがどんな拷問が行われていたかは不明。ただ30年後に墓荒らしが捕まった時に吐いたセリフが「私はあの墓荒らし達に課された罰を見ました。私もあのように死ぬんでしょうか…」なんかやばいことはわかりますね。
ちなみに古代エジプトでよく出てくる「ミイラ」ですが、皆さんはガイコツのイメージしかないと思います。僕はそうでした。しかし、ミイラは死体を保存するためのもので、鼻からフック上のモノを突っ込んで脳みそを取り除き、腹を切開して心臓以外の臓器を取り除きます。そのうえ、塩に近い成分の乾燥材をかけて、リネンの包帯でぐるぐる巻きにします。こうすることで死体が腐りにくく、状態が維持されるという仕組みになっています。この工程に70日以上かかることから紀元前1000年以降は見られなくなりました。もしミイラを道端で見つけたとしたら紀元前1000年よりも前かも?
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