ギャルとアラフォーサラリーマン
家で集中できない時
私は決まって喫茶店にいく
昔から喫茶店がすきだ
喫煙者ではないが
タバコが吸えるところだと尚いい
充満するタバコの匂いは
嬉しいものではないけれど
小洒落たカフェにいるカップルの会話を聞くくらいなら髪の毛と服にタバコの匂いがつく方がマシなのだ
先日、『ハリーポッターのホグワーツの図書館のような空間』という口コミに惹かれて小洒落た喫茶店に行った
一階がカウンター、二階はテーブル席
お店は日曜日の朝から激混み
カウンターの一席だけが空いていた
スポーツ紙片手にコーヒーを飲むおじさんだけが集まるおばあちゃんが1人でやってるいつもの喫茶店にすればよかったかなと少し後悔しつつ私はその一席に座った
左隣には20代のギャル、そのまた左には41歳(盗み聞き)のサラリーマンが座っていた
持ってきた本を読み始めて2分で集中することをやめた
隣のギャルとサラリーマンの話が気になって仕方がないのだ
今日のコーヒーのお供はこれでいこう
そう決めて
iPhoneを触るふりをしながら20分ほど彼女たちの会話を聞いた
彼女たちはタップルで知り合ったらしい
ギャルは韓国留学帰り
アラフォーサラリーマンはかわいい見た目とは裏腹に頭のキレるギャルのギャップに終始目がハートになっていた
『ええ〜たったの3ヶ月で韓国語習得しちゃったのお❓❓賢いんだねえ、もう〜おじさん惚れちゃうよお』
サラリーマンの声だけが店内に響き渡っていた
そんな41歳サラリーマンの最近の悩み
それは、B型の女の子を必ず好きになり
振り回されて遊ばれてしまうことらしい
天真爛漫なギャルに
尻尾を振り続けるサラリーマンの目は輝いていた
悩みといいつつ遊ばれることが本望なのだろう
ホテルの前まで行ったのに逃げられて独りになり、
崩れ落ちていくサラリーマンの表情まで
見届けたかったなと思いながら会計をし、
店を出た
何かに夢中になれるって幸せなことだ
サラリーマンはギャルに
私は最近、喫茶店での盗み聞きに夢中になっている(嫌な趣味)
だが今日のサラリーマンのギラギラした目によって心が消耗したので
明日はいつもの喫茶店に行くとしよう
古びれた喫茶店にいるおじさんの
全てを諦めた目はなんか落ち着くのだ