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人は誰かの犠牲の上で生きている

原作、脚本  梵天彪雅


1550年
尾張国 清洲 今宿


日吉『……ぜぇ、、ぜぇ、、』

犬『ウォン!ウォン!がるる!』

日吉が犬の噛みつき殺し犬を喰らう

日吉『ガツガツ!うっぅぅぅ…』

腹を下し苦しみ出す日吉

侍に蹴られ唾をかけられる

小平太『邪魔じゃ! 糞乞食が!!』


日吉『ワシだけが何故こんな苦しく惨めな人生を……憎い、憎い…』


???『そんなに憎いのかえ?』

日吉の前に眩い光が近づき問いかける

日吉『……誰だかしらねーが!憎いに決まっとるでねーか!ワシが侍だったら、こんな事には……』

???『サムライ……そちの願いはサムライになることか? 』

日吉『そ、そうじゃ!』

カグヤ『わらわは、ミカドに国を追われ命を神に捧げしもの、、カグヤじゃ……そちがミカドの国を終わらせるのならばそちにチカラを与えようぞ』

日吉『チカラ?ミカド?なんでも良い!くれるならくれ!』

日吉が光輝く

日吉『これがワシのチカラ……?』

日吉の胸から声が聞こえる

カグヤ『そちにはミカドの国を、、星を終わらせるチカラを与えた……上を見よ! 今は
小さくポツンとあるだけじゃが、、、』

月の上の方に赤黒く禍々しい霧を纏った小さい天体が見える

日吉『な、なんじゃ!ありゃ!』

カグヤ『あの星はやがて月を飲み込みやがて、そちに更なるチカラを与えることでしょう……そのためにそちはこれよりサムライを多く倒し、、倒すのです!  ホッホホ!』

日吉『よ、ようわからんが、、まぁ、ええ!
やったるわい!』

シーンは変わり

服部小平太『のぅ、ワロ、お主、仮にも織田家の御曹司だろ?  わしらと悪さして親父に怒られんのか?』

吉法師『ふん!こんなん、悪さのうちにはいらんさ! 小平太!ワシはな、世のみーんな、みんな明るく自由に生きられる、そんな世の中をつくるんじゃ!』

服部小平太『ふん!デカい話だな笑   じゃが、ワロは御曹司つっても兄貴がおるじゃろ? ワロが言う世を作るなら、、せめて三好の大将くらい力がなければ叶わんじゃろ?!』

吉法師『……なら、ワシは、どこまでも手を伸ばして道をどこまでも切り拓く!どこまでもどこまでもな!』


1582年6月2日  京 本能寺

赤黒く黒霧を纏った天体が月の真横に月と重なりつつある


羽柴秀吉『遂にここまでチカラをつけた信長を倒して、ワシがこの国の主となるんじゃ!』
          カグヤ『ガコノホシヲケシサルノジャ』
2人の声が禍々しく重なる

羽柴秀吉が発する光が明智光秀を洗脳する

明智光秀が苦しみだす

明智光秀『ぐはぁ!ぐぅぅ!がぁぎぃ!』

明智左馬助『殿!いかがされた!秀吉!貴様!殿に何を!話が違うではないか!?』

羽柴秀吉が無表情に明智左馬助を刀で斬り殺す

羽柴秀吉『やれ!光秀、、』

明智光秀『て、敵は、、本、、ほ、本能寺にあり!』


本能寺で戦闘が始まる多くの家臣が死に征く中、、
信長も戦うが足と肩に銃弾を受け、、

赤座永兼『、、上様、奥へ、、、ぐはっ!』

赤座永兼が槍で突かれ絶命する

織田信長『永兼!!』

森蘭丸『上様!早よぅ!』

織田信長『ここで兵を食い止めよ』

森蘭丸『上様、、お先にあの世でお待ち申し上げまする…』

織田信長が奥の部屋へ入る


織田信長『余が余自らが死を招いてたか……
ワシはまだ、、やらねばならぬことがこの手を血で染めてもやらねば、、成さねばならぬことが、、、、どこまでも、、どこまでも!
道を切り拓かねば、、,ぐっぅぅぅ……』

織田信長が手を背いっぱい震えながら伸ばすと青黒く光る空間が現れる
やがて、青黒く光る空間は織田信長を飲み込むと織田信長の姿は綺麗サッパリ本能寺から消え去ってしまった。


本能寺が焼け落ちる……

明智光秀『……ああぁぁ……信長、信長様!わ、私は私は私はなんてことを!うあああぁぁぁ!』

羽柴秀吉『うるさいぎゃ!』

明智光秀が羽柴秀吉に殺される

羽柴秀吉•カグヤ『モウスコシヨ、、ホロビノトキハ……ワシの天下じゃ!わしが天下人じゃ!』

赤黒く光る天体が月と重なり月と一つになる

1597年3月5日

青黒く光る空間が現れ、白装束を纏った織田信長が道端に現れる。

織田信長『な、なんじゃ、、お天道が眩しい!  寺は?! 蘭丸!?、、ん?』

信長が青空を見てぼーっとしてると

信長の足を蹴飛ばす小僧が現れる

織田信長『痛っ!なんじゃい!?』

日向小太郎『おっさん!きったねーかっこうで突っ立ってんじゃねー!』

織田信長『おっさ、、、おっさん!ってわしは織田家当主、織田信長じゃぞ!』

日向小太郎『織田、、ノブナガ……は? ぷっはははっははは笑』

織田信長『なんじゃ、何がおかしい?』

日向小太郎『おかしいって、笑わない方がおかしいって笑、、織田信長なんておいらが生まれた年にはとうに殺されていないから笑』

織田信長『は?え?? やっぱり、、ワシ、あの時、死んで、、、』

織田信長が自分の足を見る

織田信長『いや、ん?あ、足はあるのぅ?
いや、おい!ワシは生きとるぞ!小僧!笑いすぎじゃ!』

信長が手を伸ばすと
日向小太郎が青黒く光る空間に飲み込まれる

織田信長『は? おい、、小僧どこに行った?』

チョロチョロ周りを見渡すが日向小太郎の姿はどこにもない、、信長が自分の手を見る

織田信長『これ、もしかしてワシのちから?か?』

織田信長『あの小僧を助けねば、、、』

織田信長が手を自分にかざすと青黒く光る空間が現れ信長を飲み込む

2026年8月10日
大阪市此花区  正蓮寺川公園

織田信長が青黒く光る空間とともに現れる

織田信長『なんじゃ?ここは?なんじゃ!あの建物??』

日向小太郎『あ、、おっさん!ここどこなんだ?』

織田信長『小僧、生きておったか!………ん?なんじゃそのむすびみたいなものは?』

コンビニの店長『おい!この糞がき!
、、おにぎり盗みやがって警察に連れて行ってやる!コッチこい! あ?あんたそいつの親父か?きったねー身なりしやがって!』

咄嗟に織田信長が手をかざす

織田信長『戦国時代じゃ!』

青黒く光る空間が織田信長と日向小太郎を包む

コンビニの店長『あ?なんだマジックか?ん?』

1597年7月

青黒く光る空間とともに信長と日向小太郎が現れる

日向小太郎『なぁ、、、おっさんアンタもしかして本当に織田信長か?』

織田信長『本当も何もワシは最初から信長じゃと言っておる!…が、信じてくれるの、、か?』

日向小太郎『そりゃあ!信じるに決まってるじゃねーか!この力で本能寺から逃げたってことじゃねーか!』

織田信長『そうみたいだのぅ……ワシ自身にわかには信じ難いが………』

日向小太郎『……だけど、、、信長さん、自分の素性もこの力も隠した方がいいぜ!』

織田信長『なぜじゃ?安土城に行けば家臣がおるからとりあえずなんとかなろう?』

日向小太郎『は?はぁ……なんて、言いましたぁ?はぁ?』

織田信長『じゃから、、その、安土じょ…』

日向小太郎『ノブナガさん!安土城はもうないからね!!』


織田信長『安土城がない!?ワシの家族は!?』

日向小太郎『……ほとんど豊臣が殺しちまったらしいよ……』


織田信長『……そんな……』

日向小太郎『…なぁ…その力使って過去に行って助ければいいじゃねえのか?』

織田信長『じゃが、、行きたい時間に行けるとは限らんからのぅ……』

日向小太郎『…はぁ、、、これも何かの縁だ稽古して使えるようになろうぜ!俺、一応、、初代帝 神武帝の末裔の日向小太郎ってんだ!よろしくな!』

織田信長『じ、じんむ、、、神武!?皇族じゃないか!? ははーっ!』

織田信長が日向小太郎に跪く

日向小太郎『お、おい!やめてくれ💦
今の俺ら日向家はとっくに皇族の地位をおろされて神社のしがない宮司みたいな身分だよ』

織田信長が日向小太郎の頭を掴み

織田信長『なんじゃ!それを先に言えよ
小僧!』

信長の手を振り解く小太郎

織田信長『それで、、?宮司の小僧がこんな道端で何やってるんじゃ?』

小太郎を覗き込む信長

日向小太郎『あれを見なよ…』

日向小太郎の指の先に赤黒く禍々しく黒い霧を纏った月が見える しかもかなり大きい

織田信長『なんじゃ!?あれは?確かワシの時代は月が別にあったはず!?』

日向小太郎『本能寺の変から月と一つになったらしい……あの月はその昔、出雲の祭祀王カグヤ姫と日向家の祖先イワレビコノミコト、、つまり神武帝が出雲を攻めた戦いの中で出雲の秘技として生み出された星喰いらしい……やがて、あの星はこの星も周りの天体も全て飲み込むらしい……』

織田信長『なんじゃと……』


日向小太郎『あ!!でも、安心してくれよ!
この世には黒い穴という何でも吸い込む次元の穴があるらしい…日向家の秘術書であの星喰いを黒い穴に移動させて消すから!』

織田信長『そうなのか?!……じゃあ、ま、稽古手伝ってくれ!』

日向小太郎『……気が早いな……さすが元天下人…』

織田信長『そういやあ、今の天下人は誰なんじゃ?さっきのウチの家族を殺した豊臣って奴か?』

日向小太郎『……おっさん…やっぱり名前変えて行動しようぜ!  豊臣ってのは豊臣秀吉って言って、、あんたの元家臣の秀吉だよ!』

織田信長『!? 猿がか?! 猿が天下人?!
猿山の大将でなくか?』

信長が猿真似をする

日向小太郎『……んー…笑えねー冗談だな…』

織田信長『……さーせん……』


日向小太郎『もっと笑えねーこと教えてやるよ……本能寺の変の真の犯人はその秀吉で秀吉はどうやってチカラを得たのか知らねーが、カグヤの秘術、星喰いをあやつって自分のチカラにしているみたいだ』


織田信長『そうか、、、じゃあ、とりあえずワシらの敵は共通つぅーことじゃな!
飯でも食って稽古しようや!
この銭は今でも流通しておるのかの?』


懐から銭を出す信長

日向小太郎『ひっ!?城でも食う気かよ国丸ごと食えるだけの金じゃねーか!!』

織田信長『ハッハハハ!』

織田信長『小太郎、ワシはそのまま織田信長を名乗る!』

日向小太郎『ばか!? それじゃあ、すぐバレ…』

織田信長が手を出しとめる

織田信長『織田家は殺されたかもしらんがワシはこうして生きとるそれを世に示すだけじゃ!無い道は自分の手で切り拓くまでよ
どこまでも、どこまでもな!』

日向小太郎『…ま、好きにするといいさ、
、、そこの、茶屋で腹ごしらえして稽古始めようぜ!』


小太郎と信長の時飛ばしの稽古が始まる


1598年4月20日


暫くして信長が小太郎に一言つぶやく

織田信長『小太郎、、この力は過去ではなく、未来にしかいかぬようじゃ…』

日向小太郎『ま、まぁ、元気出せって!』

落ち込む信長 励ます小太郎


京  醍醐寺

豊臣秀吉『ヒャハハ!もう少し、モウスコシでこの星の全てをワシが、、ワタシが喰い尽くす星喰いよ更なるチカラをシメセ!』


星喰いが更に大きくなり地球に向かって近づいてくる

日向小太郎『カグヤが復活したらしい……
あの月の大きさではもう、日向家の秘術では…』

悔しがる小太郎
信長が手を見、、何かを覚悟して
小太郎の背を叩く

織田信長『らしくないのぅ!』

日向小太郎『らしくない?! わかってないのかよ!?国どころか地球どころか、、この空間全てがなくなるかもしれないんだぜ!
みんな、、みんな消えてなくなるかも、、、』


織田信長『!?おい!とりあえず秀吉とカグヤとかいう奴を倒せば状況変わるかもしれんじゃないか!? 行くぞ、小太郎!』

織田信長が小太郎を引っ張ってかけていく


醍醐寺 境内

織田信長『…おい!猿!老けたのぅ……』

豊臣秀吉『…これは、これは上様、生きておられましたか!』

織田信長『白々しいのぅ、、猿
!というかお前はもう、猿じゃないのぅ…』

日向小太郎『カグヤ!カグヤ姫! お前をここで倒して星喰いを止める』

豊臣秀吉の身体がカグヤ姫に取り込まれ
カグヤ姫が実態化する

カグヤ姫と日向小太郎、織田信長が戦うカグヤ姫の胸に刀が突き刺さりカグヤ姫を倒す

しかし、星喰いが地球にせまる

カグヤ姫『無駄じゃ、、神武の血をひく者、、、わたしのチカラなどなくとも星喰いはこの星を滅ぼす……ハッハははは!』

カグヤが消えていく

膝から力が抜け崩れ落ちる日向小太郎
そんな小太郎の頭をそっと撫でて立ち上がり前に進む信長

織田信長『ふん!小太郎!前を向け!自分の足で立って前に歩け! ワシが道を切り拓いてやる、、、どこまでも  どこまでもじゃ!』

日向小太郎『え!?おい!おっさん!何する気だ!まさか力を? 無理だ!そんな小さい空間作る力くらいじゃ……』

織田信長『安心せい!黒い穴に移動させれば良いだけじゃろ? サッと行ってくる!』

日向小太郎『おっさん!やめろ!黒い穴は全部吸い込むんだ!おっさんごと飛ばしたら
おっさんも……』

織田信長がニッコリ笑う

織田信長『……誰かがせねば、、ならんのじゃ、、、お主に会えて良かった、、、
きっとワシは最期にお主と会う為に世の為と思い殺略続けたワシに天が人の心を取り戻させるためにきっとこのチカラをくれたのであろう……』

日向小太郎『違う!きっとそんなんじゃない!折角、生き延びることが出来たんだ、
何もかもオッサンが背負い込むことねーじゃねーか!オッサン!逃げようぜ!なぁ!』

織田信長『小太郎、、道は無かったら自分の手で切り拓くのじゃ、、、どこまでも、、,どこまでもな!、、、小太郎、、最期に、、』

織田信長が自身の手に舞い落ちる桜の花びらを見、桜を仰ぎ見つめ

織田信長『桜の咲く季節にワシを思い出してくれ、、、、、』

織田信長が手を星喰いにかざす青黒く光る空間が現れ信長ごと星喰いを飲み込むが空間が急に爆発して次元の空間穴に消える


日向小太郎『お、 、オッサンーー!』


1601年4月5日



霧隠才蔵『日向殿、、、何処に参られるので?』

日向小太郎『とりあえず、全国を見て回るよ
信長のオッサンは過去には戻れないって言ってたけど、、最初のころ、一緒に行ったあの世界が日本の未来だとしたら、、、もしかしたらあの、瞬間に今の時代に戻ってきてるかもしれないからな!』


霧隠才蔵『時代を超える力、、、なんとも、、信じがたい話ですが、、、琉球の方で信長様と同じ姿を見たという話もありますから、、もしかしたら、、、』


日向小太郎『じゃろ!』

霧隠才蔵『ですが、もし、違ったら?』

日向小太郎『また、探し直すだけじゃ!』

霧隠才蔵『しかし、道なき険しい道でしょうな』

日向小太郎『才蔵!道はのぅ、自分の手で切り拓いていくのじゃ! どこまでも、、、、、どこまでも!、、、な』



                                 完

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