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わらび餅慕情
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わらび餅慕情をご紹介します。紹介というか、わらび餅に対する雑感ですね。世間には、わらび餅が好きな人がたくさんいます。ですが、実際には「わらび餅そのもの」が好きというよりも「わらび餅風味のもの」が好きな人の方が多いと思います。
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「わらび餅風味のもの」は現世に大量に存在します。チョコ、クッキー、アイスなどがその筆頭です。彼らは、わらび餅本体から受け継いだ風味を一身に宿して、今日も今日とて売り場に姿を現します。わらび→消費→滅びという順繰りですね。Aisumasen (I'm Sorry)
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もちろん、わらび餅そのものも美味しいです。しかしながら、わらび餅というのは、いかんせん重すぎるのです。その重厚感は、幕内力士を彷彿とさせます。ここでは便宜的に「わらび山」と呼ぶことにしましょう。懸賞金は夢のまた夢です。
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力士といえば「塩まき」です。なぜ塩をまくのかというと、土俵を清めることによって、邪気を祓うためです。一般人にたとえると、税金を納めることによって、税務職員を追い払うようなものです。納めるべきものさえしっかりと納めておけば、諍いは起こりません。刀を鞘に納めましょう。
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わらび山の塩まきは、他の追随を許しません。ところがどすこい。観客にナメクジが紛れ込んでいたらどうでしょうか。一口にナメクジといっても千差万別です。中には、相撲観戦が生き甲斐のナメクジもいるでしょう。そんな異端ナメクジに塩が降りかかったらどうなるでしょうか。
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当然の如く、塩に襲われたナメクジは縮んでしまいます。まさに、シオシオのパーです。なにがまさになのか。縮んだナメクジは、水をかけると回復することもありますが、そのまま死んでしまうこともあります。「ナメクジに塩(死を)」ということですね。安らかに。
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偶然、ナメクジの隣の席に座っていた観客は、さぞや驚くことでしょう。塩が少しばかり降りかかったと思ったら、隣の観客の身体がみるみるうちに縮んでいくのです。その様子は隣で見ていた観客は「まるでスモールライト(相撲だけに)を当てられたような感じだった」と述懐しています。怖かっただろうに。
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しかしながら、わらび山の場合は、塩をまくよりもきな粉をまく方が理にかなっています。なにせわらび山ですからね。わらび山なのに塩をまいていたら「なにをやってるんだ!お前はわらび山だろう!きな粉をまけ!」と怒声が飛ぶでしょう。「ぽえ~ん」という声はどせいさんなので優しく受け止めましょう。
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きな粉が降りかかった観客は、普通にむせます。塩の場合、ナメクジだけが害を被っていましたが、きな粉の場合は違います。塩はナメクジをピンポイントで狙い撃ちしますが、きな粉は万物に降り注ぎます。なので、ナメクジからすれば、きな粉が降り注ぐ世界というのは、平等な世界なのです。