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アーカイブ:2010-2021年

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2010-2021年のあいだに、せんだいメディアテークの企画に関するものや各種媒体(新聞や小冊子など)に寄稿した文章。
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#映像

手で見ることを考える

河北新報夕刊「まちかどエッセー」に2021年7月から隔週で8回にわたり書いたもの。「河北新報オンライン」が会員制になったというのでここに再録する。 第1回と第2回は自己紹介を兼ねたものということで、現在もうひとつの肩書きである大学教員としての話とした。 (初出:河北新報夕刊「まちかどエッセー」2021年7月26日) 私は大学で講義を一つ持っている。映像文化の理論や批評に関するものだ。古今東西の映画など映像作品を見せながら、それらについて解説していくのが毎回の基本的なスタイ

『BAKERU』によせて

仙台発のビジュアルデザインスタジオ・WOWの20周年を記念して東京南青山のスパイラルで開かれた「WOW Visual Design Studio -WOWが動かす世界-」(2018年4月6-15日)でのインスタレーション『BAKERU』のために書いた短いコメントである。当初は作品のキャプションのようなものと思って原稿を送ったのだが、展示会場を訪れたら順路の最後あたりに大きくパネルで掲げてあって狼狽した記憶がある。ところで、WOWとの縁は2006年にせんだいメディアテークで企画

あなたの記憶は、私たちの歴史である—「どこコレ—おしえてください昭和のセンダイ」

たまたまご縁があって、大阪にあるギャラリー「Port Gallery T」を運営されていた方から『映像試論100』という同人誌を出すのに誘われて書いたものである。 「どこコレ—おしえてください昭和のセンダイ」とは、せんだいメディアテークとNPO法人20世紀アーカイブ仙台の共催で第1回を2013年に行い、10年も続く恒例行事になっているだけではなく、全国各地で展開しているものである。思いついた当初は職場でもほとんど関心を持たれず予算も付かなかったが、個人的には(今思えば奇妙なほ