奥能登輪島の街の酒屋さん 酒ブティックおくだ
お話をお聞きした人
これまで
輪島で有名な酒屋さん
創業は戦前
奥田さんのおじいさんのお姉さんが、学校の先生を退職後に開業
当時は酒屋の免許を取ることが難しかった時代です
二代目は奥田さんのおばあさん、三代目は奥田さんのお母さんです
当時のお客さんは漁師さんや家族連れが多く、お酒だけでなくお菓子なども販売して、今でいうコンビニに近かったようです
能登では誰もやらない酒の専門店に
奥田さんは大学卒業後に金沢の酒蔵に就職、12年勤めてUターンされました
量販店にお客さんが流れ、輪島の酒屋さんも少なくなっていた時期です
そんな中で、前職で多くの酒屋を見てきた奥田さんは、「専門店化」を目指します
酒蔵にいた時の人脈を活用したり、酒造りの理解を活かして仕入れ先の信頼を勝ち取って行きました
そして、量販店にない物を集め、能登では誰もやっていないことをコツコツ進めていったそうです
徐々に成果へつながっていった
コロナの時にはソムリエ資格を取得
お店のSNSもはじめ、地元だけでなく近県からもお客さんが来てくれるようになりました
輪島朝市の観光客も寄ってくれたり、2023年の売上は一番良かったそうです
2024年
1月1日
正月は、酒屋にとっては一年で一番多く在庫を揃える時期です
久しぶりに集まった家族の団欒や帰省されている人たちが故郷のお土産を購入いただくことも多いので、良いお酒も取り揃えていました
元旦はご家族で白山市の奥さんの実家にいましたが、9時間かけて輪島まで戻ったそうです
最初はお店に入るのが怖かったという奥田さん
店は足の踏み場のない状況でした・・・
水も止まっているので、片付けもできない状況でしたが、何とか片付けを進め行きます
3月くらいから店の準備を進めながら、GW前にはようやく店を再開できるようになりました
その間も、全国から励ましの応援やオンラインストアへの注文が入り、無事だった在庫を白山市の奥さんの実家まで運んで発送していたそうです
全国からの応援が、店の再開を目指す活力になりました
震災をきっかけとしたご縁
被害の大きかった輪島には、全国から支援チームがたくさん入りました
その中でも、大阪吹田市のスタッフさん達がお得意さんになってくれました
また、日本酒Barからのお誘いや、金沢、藤沢、東京、和歌山などで出張販売やイベント販売にも参加しました
第二の災害が発生
そして震災から9カ月後、今度は豪雨災害が輪島を襲いました
店内にも水が入ってきました
冷蔵庫も浸水し、地震の時よりも片付けが大変だったそうです
ボランティアの方や知人が一緒に片付けてくれたので、店の再開もできるようになりました
未来に向けて
能登らしさを発信していきたい
二つの大規模災害を乗り越えて、奥田さんご夫婦は歩み続けています
取引先だった地元の飲食店も店を閉めたままです
そんな逆境の中でも、能登のお酒や食文化を全国に発信し、能登らしさを広めて行きたいと考えてらっしゃいます
最近では、輪島のお箸なども販売しています
朝市も再開されていない中で、能登や輪島の良いものを、ネットなどで販売していくことも進めていかれるそうです
能登の魅力
奥田さんの想う能登の魅力は「食と人」
食:輪島はお店が多く、和食だけで無くフレンチなども美味しい
人:朝市に来るお客さんはおばちゃんとの会話を楽しみにしている
奥田さん、お話をお聞かせいただき、ありがとうございました!
是非、酒ブティックおくだのXも覗いてみてください!