ブラック企業勤めのアラフォーが文学フリマ東京に初出店(しかもソロ参加)をしてみた話


 2024年5月19日、山羊座の女こと南野やぎざは東京流通センターで開催された文学フリマ東京に初出店した。そこまでの経緯は「ブラック企業勤めのアラサーが文学フリマ東京に出るタイプのアラフォーに成長するまでの話①|山羊座のナンカ (note.com)」に書いているので、お時間あればお読みいただきたい。

 まずは、とても貴重で尊い経験をさせていただいた。本当にありがたいことだった。そのうえで、「文学フリマ東京に初出店(しかもソロ参加)をしてみた」結論を申し上げたい。


 文学フリマ東京への初参加で、「ひとりで、出店者側」というのは止めた方がいい。

 この結論は、皆様に申し上げる、というよりも、3月にタイムスリップして「勢いで文学フリマ東京に申し込む前の自分」に言いたい。

 文学フリマ東京。それは普段通販でしか買えない方々の本を買い、普段会えないフォロワーさんたちに挨拶をできる場所。
 それなのに、今回やぎざは比較的ご近所の方々には挨拶できたし直接本も買えたが(※本当にすごく光栄でした)、ちょっと遠くのブースの方や、第2展示場の方には行けなかった。
 これは、私が文学フリマ東京の人出を舐めていたためである。
 せいぜい休日の天神地下街くらいだと思った。まさか休日の博多駅、あるいは平日朝の七隈線だとは思わなかった。人混みが苦手な私はトイレに行くのもひと苦労だった。

 そして、ひとり参加。いつ買い物に抜け出してよいかがなかなかわからず、ブースが端っこだったこともあり、長時間放置する覚悟ができず、買い物の時間があまりとれなかった。

 以上のことは、事前に「一般の参加者」として文フリ東京を訪れていれば予測できたことだと思う。一方で、「一般の参加者」としていくためだけに飛行機とホテルをとる勢いは3月の私にはなかったので、まあ仕方ないと思う。

 また、売れた本の冊数は文フリ広島より10冊以上少なかった。

 今回売れた本は、新刊10冊、2冊目の日記本『わたしのかけらをそっと手放す』7冊、キンコーズで作った本3冊、『イチマンブンノゼロ』2冊、『イチマンブンノイチ』1冊。計23冊だった。

 東京に限らず文学フリマに行く皆さんは、おそらくある程度の予算を決めて行くと思う。そんな限られた予算のなかで、私の本を買ってくれた方々が20人くらいいらっしゃって、本当にうれしかった。

 このことは、本当に尊いことだと思う。


 たとえば予算が10000円だとして、私の今回の新刊は1000円で、しかも分厚い。予算の10分の1を占める上に幅をとってしまうものを買ってくださるなんて、本当にありがたくてたまらない。
 さらにX(旧Twitter)でその日の朝につぶやいていたことに触れてくださったり、お友達から渡されたお買い物メモをみながら買ってくださったり……おそらく、このnoteを見てこられたのかな、と思う方もいらっしゃった。

 文学フリマ東京という2400以上のブースがあって、それ以上の本があるなかで、無名の日記書き件短歌詠みの本を買ってくださる方がこんなにいらっしゃったのは奇跡だと思う。(実際、1冊目が売れるまで「今回売り上げゼロかもしれん……」という妄想に憑りつかれていたし)

 東京近郊の方に、送料なしで本をお届けできたこと、直接お渡しできたことは、本当にうれしかったし、素敵な経験だった。
 しかし、心の中に、こんな思いがよぎってしまったのだ。


「でもそれって日記祭で出店した方がよくない……??」

 今回、私の本を買ってくださった方は、「文学フリマで初めてみかけて」という方ではなく、「そもそも日記本を読むのが好きで山羊座の女という名前で月日会に日記を投稿している人物を知っていた」という方が多かったのではないかと思う。

 それに対して、文学フリマ広島では「見本やブースを見て、よいと思って買ってくれた」方が多かった。

 そう考えると、東京で自分の本を売る場合には下北沢で開催される「日記祭」で自ら手売りするのがベストなのでは?という結論に至った。そして、現在の私が文学フリマで本を売るには、「ブース数の少ない地方での参加」の方がいいのではないか、と思った。


 文学フリマ香川には落ちてしまったのだが、来年は、広島、香川、岩手に行くか……?
 というかその前に次回の日記祭に出店者として申し込むのを検討すべきか……?
 そして、冬の文学フリマ東京には一般で参加するか……?


 と、新たな検討事項がいくつかむくむくと湧いてきた。
 さすがにすべて実行するには軍資金が足りないので、これからゆっくりと考えたいと思う。

 最後に、今回文学フリマ東京で本を買ってくださった方々、お話ししてくださった方々、見本を読んでくださった方々、本当にありがとうございました!


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