今日は、患者さんの実車評価に同乗してしました。

◯運転という作業

運転は、そのかたの元々の運転能力や、運転目的、頻度、必要性、家族の理解、運転環境など、本人の問題だけでなく環境的な要素も複雑に絡み合う作業です。

 それゆえに、机上の評価だけでは判定ができずに、判断に迷う事例も数多く見受けられます。
 そのため、実際の運転環境下で操作や認知を判断できる実車評価が今日の運転支援におけるゴールドスタンダードであると言えます。

◯ 評価のポイント

評価するときのポイントは大体以下の通りかなと思います。
① 院内評価での問題点が実際場面でどの様に影響するか、あるいはしないのか
② 半盲(視野欠損)やUSN(方向性注意の問題)などの影響
③ 元々の運転の癖の確認
④ FBを聞き入れることができるのか

等々様々である。
この時に大切なのは、教官の視点からの評価と、作業療法士の視点からの評価を合わせて評価することで妥当性を得ることである。


◯ 関係機関とのやりとり

実車評価に協力をいただいている機関へは、情報提供としてシートを一枚作成して事前に共有させていただいている。
そこには、今回の病気の名前や、身体機能面、高次脳機能面、日常生活のレベル、仕事、家族との関係など、本人だけでなく、周囲の環境面を含んだ総合的な情報を提供している。

評価終了後には、関係機関より、評価シートが届き、それを元に主治医が判断を下す流れとなっている。

◯ 実車評価の難しさ

運転支援は、悩ましいことが多く発生します。
①神経心理学的検査と一致しない。
②大体の方が運転に自信をもっている。
③乗れるレベルではあるが、家族が消極的
④FBが入力されない
等である。

◯ 本日の2人

今日行った2人は、概ね問題なし。
このまま再開方向で話が進んでいくことになりそう。

評価後は、徐々に練習を開始して、少しずつ距離や時間を伸ばしてもらう様に、運転の進め方に関しても助言を行います。


実車評価をある程度経験していくと、周りの歩行者や車の動きを勝手に想像したりしてしまうことがあります。(職業病かも・・・。笑)

まだまだ運転評価も疑問を感じる部分が多く存在しますが、少しずつデータを増やしてより良い評価ができる様にしていきたいと感じています。

それでは!!

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