![見出し画像](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/151618960/rectangle_large_type_2_e7c2f97b61a74bf48606f0dd1a369349.png?width=1200)
痩せることが美徳とされる現代と「リフィーディング症候群」
どうすればいいんでしょうね。この問題・・・。
男性と言うより、女性の方を意識した記事になります。
過度な「痩せ」は良くないって言うのを書こうと思っていて・・・。
後は、「Refeeding syndrome(リフィーディング症候群)」についても書きます。浅学な私の記事ですので、初歩的内容として受け取っていただければ幸いです。専門的な論文等読みやすくするための足掛かりとなれば・・・。
〇痩せは美徳か?
「バランス」の一言に尽きると思うのです。
原宿とかを歩いてたり、新宿歌舞伎町周辺では今すごく「美容医療」の広告がバンバン流れてますよね。
アレ、やり過ぎちゃうかなあって思うんです。
いえ、保険診療から抜けた医者め!って同業者を恨んでるわけじゃあないです。
ガチガチに脚をほっそくしようとしたり、それが美であるかのように広告をうつこと、ちょい何とかした方が良いんじゃないかって思うのです。
なんでこんなこと言うかと言うと・・・。
〇拒食症の発症?
神経性食思不振症(所謂拒食症)ってご存じでしょうか。類縁疾患には「過食症」と言うものもあります。神経性過食症って奴です。
まあこの2種の疾患はちょっと似通っている部分もあるんですが・・・。
自分、精神の専門ではないので詳細はエビデンスに欠けるのですけど、研修医時代にこの先は精神部門もキッチリみておく必要があるだろうなって思って、精神科ローテも回ったのです。
ほんでまあ拒食症の方を結構診たわけですけど・・・。それでやっぱり、勉強とかしますよね。
なんでこういう、「痩せ」を過度に美徳にするのが良くないかってタイトルで記事を書いたかの理由にもなるのですが、拒食症ってはっきりとした発症の原因が分からないんですよね。確か分かっていなかったと思います。
所謂強迫性障害の類縁系だとは思っているのですが・・・。先進国に特有というか、多い病気とも言われています。
先進国って「痩せ」を美徳にしていますよね。まあ西洋諸国の先進国では、DEI(多様性)のKeepの為に「太ること」を美徳と(無理やり?)定義しつつもありますが・・・。特に本邦と韓国など・・・、痩せを美徳化しすぎてる節があるかなあって思うのです。
拒食症って、「痩せること」が快感になるんですよね。そして逆に体重が増えることが「恐怖」になるわけで・・・。
![](https://assets.st-note.com/img/1725243247930-AK2uQYFwvw.png)
個人的な所感なんですけど、痩せを過度に美徳化したり、友達の間やインフルエンサーの影響で痩せるよう意識したり、「太ってるかもしれない」指摘をされる(足が太い等言われるとか)ことが発症のトリガーになってたりするのかなあと思うのです。
後は・・・いわゆる創作品のキャラクターの設定ですね。アレ痩せすぎなんですよ・・・。アイドル系?とかの作品だとすごいスタイルいいのに、風船か?と思うくらい体重が軽いわけで・・・。まあ絞るところ絞ったらそうなるのかもしれませんけど、BMI計算すると余裕で18.5切ってたりしてて・・・。これもよくねえなあって思うのです。
男側も50kg台とかデブやんwwって認識、ゼロじゃあないんですよね。そう思う人が一定数いると思うのです。これは男側も認識を改める必要があります。
そして問題が、拒食症って治す薬がないんですよね。歪んでしまった自己認知を自分自身で「矯正」するしかないんです。あくまで医者はその手助けの医療を行うことしかできなくて・・・、患者本人たちも「クソつらい」と思いながら、最終的には「自分」で何とかするしかないんですよ。もちろん認知のゆがみを戻す試みとしての治療方法はありますが、それが効果を成すかどうかは本人の力量による部分も大きくて・・・。
なっちゃうと、治るのがめちゃんこ大変なのです。自傷行為に走ってしまうような場合とかは、気持ちを落ち着ける薬とかで対応できますけど・・・、拒食症そのものを根本的に薬物治療するってのは無理なんですよね。
そして更なる問題は、「致死率」が高い事。拒食症は名前の通り極端にご飯を食べなくなるので、いわゆる身体が飢餓状態に陥ります。この飽食の現代において・・・先進国に住んでいながら飢餓になるわけです。
後述するリフィーディング症候群も含め、広義でいうところの餓死で亡くなったりするのかなあと思っているのです(正確に言うと電解質のバランスの異常等が挙げられると思うのですが簡略に言うとすれば餓死なのでそう表記しました)。
〇理想的な体重って
BMIはご存じかもしれません。
計算方法としては、BMI=体重(Kg)÷身長(m)÷身長(m) で算出することができます。
理想のBMIは「22」とされます(=標準体重)。
基本的には、BMIが18.5未満を切ってくると「痩せ」となります。
逆にBMIが25を超えてくると「肥満」の領域に入ります。BMI25-30位が軽度肥満ですね。
理想としては、BMI 21~24位の間におさまること。なかなか難しいですけど、せめて・・・痩せるとしても、BMI 18.5未満にはいってほしくない・・・。
そりゃあ確かに例えば・・・身長が150cmだったとしましょう、BMI22で計算すれば・・・理想体重は49.5㎏になります。身長が150センチだったとしてBWはやっと49.5㎏と40キロ台に入るわけです。つまり身長が150以上あればBWが50㎏台でも何ら問題ないってことです。
女性に体重を聞くのは失礼だと思っているので、たずねることはありませんが・・・、自分の身長を鑑みたうえで自分の理想体重を設定することが良いのだと思うのです。
![](https://assets.st-note.com/img/1725243363204-Elld9ceEm7.png)
〇体重と生理の問題
これは私が男であることから、デリケートな話題であることを重々認識したうえで書かせて頂こうと思っています。
過度な「痩せ」があると生理が止まるんですよね。理由としては「身体の維持でギリギリなのに、生殖の準備でもある生理に割くリソースなんてないよ」って身体からのアラームなんですよね。これ結構軽視している?方がいらすかもしれません。
生理来なくてラッキー!って思う方もいらすかも。でも・・・その実違っていて・・・。
もちろん、生理と言うものはものすごく身体に負担がかかることであることは重々理解しているつもりではおります(完全に理解するってのは男である以上無理かもですが・・・)。
精神的な不調をきたすことも往々にしてありますし、腹痛等身体症状も起こりうるわけで・・・。そりゃそういう意味でみればない方が良いかもしれません。
ただ問題は「ホルモンバランス」が崩れることによって、いわゆる閉経後の状態と似通ったホルモンバランスになるという事が挙げられます。
つまりどういうことかって言うと「骨粗鬆症」のような骨が極端に脆くなるようなホルモンバランスになるってことですね。年齢は若くても、おばあちゃんみたいな感じになるってイメージが簡単で分かりやすい表現かもしれません。
生理があることによって女性ホルモンがキッチリ出るわけで・・・、それが止まってしまうとイコール閉経後と同じになってしまうのです。
ただでさえ栄養が足りていない飢餓状態でさらにそのホルモンバランスになったら・・・、骨粗鬆症以上にボッキンボッキン骨折れるかもしれません。
それはマズイ・・・のです。
そういう身体の現象も含めて、「過度な痩せ」は良くないなって思うのです。
〇Refeeding syndromeと「兵糧攻め」
戦国時代の「兵糧攻め」ってありますよね。城の周りを包囲して相手の補給線を絶ったうえで無血で開城させる一つの攻め方のひとつ。
あれで降伏して出てきた兵士にいきなり普段通りのメシを食わせたら「死んだ」って話をどこかで聞いたことある人もいらっしゃると思います。
アレ、内臓がびっくりして死んだとか思われてそうなんですけど、多分違ってて・・・、上述した「Refeeding syndrome、リフィーディング症候群」のせいなのです。
人間って、電解質といういわゆるナトリウムやカリウム、クロール(Cl)、カルシウム、リンなど様々な物質が血中から細胞内までいたるところに存在しています。特に大事なのが「血中の電解質」で・・・。
拒食症とかのいわゆる「飢餓」にあたる人(慢性アルコール中毒者も実は入ります)たちは・・・飢餓状態の名前の通り栄養不足なわけですが、同様に電解質も慢性的に不足していることが多いです。
このタイミングでいきなり高カロリーの食事や点滴を開始すると、複雑な病態については省きますが、血中のリンの値が急激に減少する事と、血中のカリウムの濃度が急激に減少します。
血中リンが減少すると、脳を含めた多臓器にわたり重篤な致命的な障害が出る可能性があります。また同様にカリウムも急激な減少は心臓に重大な障害を起こす可能性があります。
そういった致命的な障害で「亡くなる」可能性があるわけです。
リフィーディング症候群って一般的に知られているような疾患ではないと思うので、知っておいてほしいのです。
最初はものすごい少ないカロリーから初めて徐々に栄養量を増やすわけですが・・・、これが結構時間もかかるし電解質の補充や頻回な採血などもしなくてはならない、意外とバカにならない危険な疾患なのです。
本当はこんな疾患にならないのが一番なので・・・、拒食症トピックの関連として書かせていただきました。
〇終わりに
浅学な私が書かせてもらった記事ですので、専門の先生から見れば粗が目立つ記事であると思います。
ある程度参考にはなるかとは思うのですが、しっかりエビデンスを得た有用な論文等を興味があったら見ていただければと思います。この記事はそんな足掛かりになれば、とても幸いです。
何事も「バランス」だよねって思うのです。つまるところのはなしですけれど・・・。