見出し画像

セタくんは私の異質

セタくんが夢に出てきた。

セタくんは、私が小学校の3、4年生のとき同じクラスだった。

顔は子供らしからぬ老け顔←
宍戸開みたいな整った凛々しい顔をしていて、日に焼けていつも真っ黒で私にはライオンに見えた。
場をコントロールどころじゃなく、制圧する強者の圧力があった。

席替えをしたら、セタくんとたまたま同じ班になったことがあった。
その班には、他にもクセが強い女子2人がいた。

来月に遠足があるから、席替えした班で行動するらしく、班ごとにいろいろ話し合いをする時間になった。

クセ強い女子2人が、「係を決めよう」と言い出した。

最初は、交通係(車に注意を払う係)とかまともな話だったけど、だんだんクセ強い女子2人は「私たちは歌う係、みんなは踊る係」とか、意味がわからない係が誕生する。

この係が私にとって、すごくつらいことになる。


同じ班の男子はもちろん踊る係なんてやらない。
全部私のところにくるのであーる。

遠足の歌を「勇気一つを友にして」に決めたクセ強×2(曲調暗めのイカロスが落ちる歌)

そして、振り付けを考える。クセ強×2


私、絶対やだよね。踊りたくないよね。


そのうち、みほちゃんが係を決めたのにちゃんとやらないみたいな話になってくる。

こんなやりとりをずっとやってて、学校が本当に憂鬱になった。

遠足の直前くらいに、私たちの「係の話」が問題になった。
(もしかしたら、私が学活とかで踊る係は嫌だとか言ったのかもしれない)


そのときのことはあまり憶えてないけど、セタくんが「うちの班は係とかそういうのはやらない」と言った。

ライオンが吠えた。
セタくんが本当にライオンに見えた。
そして、この話はなかったことに。

えっ、やらなくていいの?
その瞬間、私の心を締め付けていたものがなくなった。

セタくんの一言で救われたのは私だけではなく、クセ強×2もそうだったはず。


その後の遠足の記憶は一切なく、クセ強の1人は5年生6年生になってもずっと仲良しのクセ強のままだった😂

もう1人のクセ強は、そこから牙を抜かれたのか、クセ強卒業してしまった…。

そんなセタくん、5年生の時に一度、学校以外で遊んだことがある。

そもそも学校で遊んだことはない。

他にも何人かいて、セタくんもくるという話だった。
(誰と遊んだのか、全く憶えてない)


集合し、自転車で6人であちこち飛び回る。

途中でセタくんが、「イタ電しよーぜ」と言う。

え、イタ電?お金ないよ?
たぶん私がそう言った気がする。
セタくんは、公衆電話で110番を掛けて叫んでガチャ切りする方法を教えてくれた。


なんとも気が乗らない。
(私はこういう悪ふざけとかあんまりしない子)

でも、このメンツで遊んでるからにはやるしかない、と思い逃げ場がなかった。

「じゃんけんで負けたやつがイタ電なー。」


負けたのは私だった。


「やりたくない!」


「じゃんけん負けただろ!」


嫌なら最初からやらなきゃ良かったし、じゃんけんで負けたのが悪い。


そんな逃げられない思いから、覚悟を決めた。


公衆電話の受話器を取り110を押し、

「110番です……」を聴き終わらないうちに受話器に絶叫した。


そしてすぐに受話器を置くと、公衆電話がジリリリリン!と鳴り出した。(知ってた?鳴るのよ?)

私たちは、自転車で散り散りに逃げた。

逃げる時にセタくんが「コイツ本当にやった」って言った気がした。


その後、一度家に帰ったが、それまで経験した中での悪さが度を越していたので、とにかく怖くなり、公衆電話に戻ってみた。
(犯人は現場に戻る…まさに…!)

すると公衆電話のあたりに人だかりとおまわりさんがいた。


おおごとになってる😳


そのまま遠目に見て、帰ってきてしまった。


次の日、学校で昨日のメンツ誰とも話をしなかった。


誰からも何も言われなかったし、私も誰にも言わなかった。


もしかしたら、同じクラスの子は1人もいなかったのかもしれない。


それからセタくんはクラスも違うことから、関わることはなくなった。


そんなセタくん。

夢で、

「いでみほはヤバかったよな。暗くて。」

って言われた。


悪かったな。暗くて😂



いいなと思ったら応援しよう!