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随筆

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2023年11月の記事一覧

【随筆】指

 僕の指は汚い。短く、丸く、しわが目立つ。抜いても抜いても毛が生えてくる。爪なんてもうひ…

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【随筆】午後の散歩

 風になびくススキの穂が、西陽に反射してきらきらと光っている。夕暮れというには少し早い午…

【随筆】北陸の冬

 暗く冷たく、陰鬱な朝。空は灰色、アスファルトも湿って黒く光る。ぽつぽつと降る雨と吹きつ…

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【随筆】思考の海

 薄暗い明け方の部屋でひとり、布団を被ったまま聴こえる雨音に耳をすませる日、気怠く心地よ…

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【随筆】上弦の月

 空にぽっかりと浮かぶ上弦の月を透かして、薄い雲がゆっくりと流れていく。絹のベールを被っ…

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【随筆】冬の昼過ぎ

 冬、13時を過ぎる頃。もう太陽は夕方の色をしている。空も空気も町並みも少し黄ばんで、1日…

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【随筆】美しいものと恐怖と(端的に僕について)

 美しいものを数えようと思った。  背後から、ただ忍び寄ってくる真っ黒な不安から逃げるように。  この世で一番美しいものは何だろう。紺色の空に浮かんだ黄金色の月だろうか。それとも青空に透ける白百合の花びらだろうか。  もしかしたら猫が運んできたツバメの骸の、きらきら輝く青い羽根だろうか。それとも灼熱のアスファルトに焼かれた甲虫の、黒光りする体だろうか。  僕にとっての「美しいもの」は少しだけ拗れて、捻じ曲がっている。眠る君の鼻筋と睫毛の生え際を、とても美しいと思うのと同

【随筆】悲しみについて

 西日に輝く稲穂の金色を美しいと思うのと同じ心で、貴方を憎いと思う。澄み渡る青色の夏空に…

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【随筆】独りぼっちの流星群

 僕のオンボロ車をゆっくり走らせる。フロントガラスに付いた細かい傷痕が、街灯の光を反射す…

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【随筆】今日の雨

 冷たい雨が降ったり止んだり。さっきまで明るかった空がサッと曇り、薄暗い空から雨が落ちて…

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