はじめに
ちょうど社会に出て間もない頃だった。
仕事の日の朝、駅に近づく程に増える人の流れ
サラリーマン、学生、足早に先を急ぐ人々。
それぞれがそれぞれの場所へ今日もせわしなく向かっていく。
その表情はどことなく複雑で、笑顔はなくて、曇っていて。
ぶつかる肩に圧倒されてる暇なく、私も同じように仕事へ向かう。
本当は行きたくない。
でも、生きる為には働かなくちゃいけない。
私も社会人として一人前にならなくちゃいけない。
泣き置なんて言ってらんない。
そう自分を戒めてこの重い足を動かす。
ふと空を見上げた時に浮かんだ
漠然としたある疑問。
「人はなぜ生きるのか?」
空の青と沈んだ心のコントラストに胸がしめつけられた。
(私は未だあの情景を忘れることができない)
ついに生きることに疑問を抱いてしまった。
泣きそうだった。
そんなこと考えたって分かるはずないのに。
けれど、分かりたくて、知りたくて
希望の見出せない世界の中でその問いの答えを
導き出すことだけが私の希望になっていた。
自分を見つめて、外に答えを探し求めて
ようやく自分なりに導き出したその答えとは..